「兵士の物語」ディスコグラフィ(CD篇 その2)
26)
アントニオ・プロティーノ指揮盤(フランス語版 L'Histoire du soldat)
語り手/ロラン・マンゾーニ Laurent Manzoni
ニュー・ミュージック・ストゥーディアム New Music Studium
ヴァイオリン/Raimondo Matacena
コントラバス/Alberto Boccini
クラリネット/Giampiero Sobrino
ファゴット/Rino Vernicci
トランペット/Francesco Tamiati
トロンボーン/Giancarlo Rosini
打楽器/Enrico Calini
指揮/アントニオ・プロティーノ Antonio Plotino
録音/1995年1月、トリーノ
独盤 Arts 47357-2
*フランス語による一人芝居版。廉価盤ながら、このイタリア勢による演奏はさしたる特色はないが、決して悪くない。出演者に関するデータの記載なし。併録は「八重奏曲」。
27)
ニコラス・ウォード指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders & キティ・ブラック Kitty Black
語り手/デイヴィッド・ティムソン David Timson
悪魔/ベンジャミン・ソームズ Benjamin Soames
兵士/ジョナサン・キーブル Jonathan Keeble
ノーザン室内管弦楽団メンバー The menbers of the Northern Chamber Orchestra
ヴァイオリン/Nicholas Ward
コントラバス/James Manson
クラリネット/Nicholas Cox
ファゴット/Catherine Baker
トランペット/David Carstairs
トロンボーン/Richard Scoates
打楽器/Paul Patrick
指揮/ニコラス・ウォード Nicholas Ward
録音/1995年11月7日、マンチェスター(Studio 7, Broadcasting House)
英盤 Naxos 8.553662
*オリジナルどおり三人の俳優を起用した英語版。これまた廉価盤ながら、英国勢による手堅い演奏。ナレーションもことさら個性的ではないが、ラジオ・ドラマ風の安定した仕上がり。併録は協奏曲「ダンバートン・オークス」。
28)
ロス・ポープル指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders & キティ・ブラック Kitty Black
語り手/ジェイソン・オマラ Jason O'Mara
ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団 London Festival Orchestra
ヴァイオリン/unidentified
コントラバス/unidentified
クラリネット/unidentified
ファゴット/unidentified
トランペット/unidentified
トロンボーン/unidentified
打楽器/unidentified
指揮/ロス・ポープル Ross Pople
録音/1996年3月18-19日、5月11日、ロンドン(The Warehouse)
独盤 Arte Nova 74321 37865 2
*英語による一人芝居版。これも廉価盤。アイルランド出身のオマラの語り口は抑制が効いた知的なもの。ロンドン勢による演奏は中庸の出来。
29)
シュロモ・ミンツ指揮盤(フランス語版 L'Histoire du soldat)
語り手/キャロル・ブーケ Carole Bouquet
悪魔/ジェラール・ドパルデュー Gérard Depardieu
兵士/ギヨーム・ドパルデュー Guillaume Depardieu
ヴァイオリン/Shlomo Mintz
コントラバス/Vincent Pasquier
クラリネット/Pascal Moraguès
ファゴット/Sergio Azzolini
コルネット/Marc Bauer
トロンボーン/Daniel Breszynski
打楽器/Michel Cerutti
指揮/シュロモ・ミンツ Shlomo Mintz
録音/1996年12月、パリ、シャンゼリゼ劇場(Le Théâtre des Champs-Elysées)
仏盤 Valois V-4805
*久しぶりに華のある配役・演奏陣を揃えた全曲盤。キャロル・ブーケ、ドパルデュー父子の競演も目覚ましいが、パリ音楽院系の名手たちと、それを率いるミンツの個性的なヴァイオリンも聴きものだ。パリで催された「エイズ撲滅」特別演奏会ライヴとのことだが、リハーサル・テイクを主にしたようで、会場ノイズは皆無。ちなみに、シャンゼリゼ劇場は1924年4月(24, 26, 27日)、アンセルメ指揮、ピトエフ夫妻らの出演で「兵士の物語」パリ初演が行われた場所でもある(この上演は酷評された)。
30)
[追加]ウィントン・マーサリス共演盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/J・A・フィリップス J. A. Phillips
語り手/アンドレ・デ・シールズ André De Shields
ヴァイオリン/Ida Kavafian
コントラバス/Edgar Meyer
クラリネット/David Shifrin
ファゴット/Milan Turković
トランペット/Wynton Marsalis
トロンボーン/David Taylor
打楽器/Stefon Harris
指揮者なし
録音/1998年5月8日、ニューヨーク、アリス・トゥリー・ホール(Alice Tully Hall)
日盤 カメラータ・トウキョウ Camereta CMCD-28062 2007年発売
*20世紀も押し詰まった頃になってNYで素晴らしく質の高い演奏会があった。The Chamber Music Society of Lincoln Center と Jazz at Lincoln Center の共催の公演だそうで、これはその実況録音。マーサリス、トゥルコヴィツといった最高級の名手たちが揃って指揮者なしで演奏する。朗読はブロードウェイでよく知られた役者というが寡聞にして知らない。さすがに水も漏らさぬ完璧な演奏で、とても実況とは思えない。英語テクストは新版だが、概ねラミュの原作に忠実である。マーサリス自作の五重奏曲を併録。
31)
[追加]アンドラーシュ・ヴィルヘイム指揮盤(ハンガリー語版 A katona története)
ハンガリー語訳/ヤーノシュ・ラクフィ
語り手/ヤーノシュ・クルカ
兵士/ヨージェフ・サルヴァシュ
悪魔/ラースロー・ヘリエイ
皇女/ユディト・シェル
ヴァイオリン/スパルタクス・ユニキ
コントラバス/ヴィルモシュ・ブザ
クラリネット/ラヨシュ・ロズマーン
ファゴット/タマーシュ・ベンコーチュ
トランペット/タマーシュ・ヴェレンツェイ
トロンボーン/イェネー・カーチク、フェレンツ・コーチャーシュ
打楽器/ゾルターン・ラーチュ
指揮/アンドラーシュ・ヴィルヘイム
録音/1998年(演奏)、2000年(台詞)、ブダペスト
洪盤 Budapest Music Center Records BMC CD 041 2000年発売
*史上初のハンガリー語版「兵士」の登場である。片言隻句も理解できないが、それでも存分に愉しませてくれる好演技・好演奏である。管見の限りでは東欧諸語圏ではこれが唯一の盤ではないか。
32)
ヘルマン・バイル指揮盤(ドイツ語版 Die Geschichte vom Soldaten)
独訳/ハンス・ラインハルト Hans Reinhart
語り手/ローレ・ブルンナー Lore Brunner
メルリン・アンサンブル・ヴィーン Merlin Ensemble Wien
ヴァイオリン/Martin Walch
コントラバス/Denton Roberts
クラリネット/Harumi Tanka
ファゴット/Allen Smith
トランペット/Stefan Ennemoser
トロンボーン/Othmar Gaiswinkler
打楽器/Klaus Reda
指揮/ヘルマン・バイル Hermann Beil
録音/2000年9月23日、ブレーメン(Rathaus zu Bremen, obere Halle)
独盤 Preiser 90475 2001年発売
*女性一人の語りによるドイツ語版。第11回ブレーメン音楽祭でのライヴ(ただし最後の拍手のほかはノイズ皆無)。冒頭、演奏前の音合わせから始まる。このアンサンブルは1991年に創設。ヨーロッパ室内管とカメラータ・アカデミカ・ザルツブルクのメンバーから構成され、演奏はさすがに手堅い。「悪魔の凱旋行進曲」は静かに終わり、原作にない短いエピローグがつく。ブレーメン放送局との共同制作盤。
33)
ジャン=フランソワ・ヴェルディエ指揮盤(フランス語版 L'Histoire du soldat)
語り手/ジュヌヴィエーヴ・パージュ Geneviève Page
悪魔/ミシェル・フォー Michel Fau
兵士/エリック・ペレーズ Eric Pérez
ヴァイオリン/Agnès Crépel
コントラバス/Tierry Barbé
クラリネット/Jérôme Julien-Laferrière
ファゴット/Gilbert Audin
コルネット/Pascal Clarhaut
トロンボーン/Yves Favre
打楽器/Gérard Perotin
指揮/ジャン=フランソワ・ヴェルディエ Jean-François Verdier
録音/2003年4月、オルネ=スー=ボワ(L'Auditorium de l'Ecole Nationale d'Aulnay-sous-bois)
仏盤 Arion ARN-68634 2004年発売
*フランス語の語り三人によるオーソドックスな編成。どこにも記載はないが、ラミュのテクストは現行版ではなしに、1946年の加筆最終改訂版によっているのが最大の特色(アンセルメの52年のライヴ盤とほぼ同一)。「語り手」のパージュは映画出演(「昼顔」「シャーロック・ホームズの冒険」など)で知られる著名な舞台女優(1930生)だが、その口跡はなかなか個性的だ。アンサンブルの演奏も破綻のない出来。「悪魔の凱旋行進曲」はここでも最後は遠ざかって終わる。併録が「猫の子守唄」(ラミュ詩、1919)、「エレジー」(1944)というのも、なかなか気がきいている。
34)
[追加]イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/ジェレミー・サムズ Jeremy Sams
語り手/ジェレミー・アイアンズ Jeremy Irons
コロンビア室内アンサンブル Columbia Chamber Ensemble
ヴァイオリン/Israel Baker
コントラバス/Richard F. Kelley
クラリネット/Roy D'Antonio (+Hugo Raimondi or Louise D. Dissman?)
ファゴット/Donald Christlieb
トランペット/Charles Brady (+Sidney Lazar?)
トロンボーン/Robert Marsteller (+Hays Johannen?)
打楽器/William Kraft
指揮/イーゴリ・ストラヴィンスキー Igor Stravinsky
録音/1961年2月10、13日、ハリウッド(American Legion Hall, Hollywood)
追加録音/1967年1月24日、ハリウッド(American Legion Hall, Hollywood)
朗読録音/2005年12月2日、ロンドン(Lansdowne Studio 2, London)
米盤 Sony 82876-76586-2 2007年発売
*とんでもない新盤が登場した。ストラヴィンスキー自作自演による全曲盤である。よく知られているようにストラヴィンスキー自身は「兵士」の組曲版を三度レコーディングしたものの、朗読入り全曲は一度も録音しなかった…はずだったのだが、2005年春にレコード会社の倉庫から、ストラヴィンスキーが1967年に「追加録音」したセッション・テープが見つかり、1961年の「組曲版」録音と組み合わせると全曲分の音楽が途切れなく揃うことが判明したのである。恐らく当時 Columbia 社はマルケヴィッチ=コクトーによる全曲盤の「成功」を目のあたりにして、なんとしても作曲者自身による全曲決定盤を出さねば…と考えたのであろう。そこで追加セッションが行われたものの、いかなる事情からか肝腎の朗読部分の録音がなされぬままお蔵入りになったとおぼしい。そこでジェレミー・アイアンズの朗読を新たに吹き込んで、漸く晴れて自作自演完全全曲録音がお目見えしたという次第。
「兵士の物語」ディスコグラフィ(CD番外篇)
ここ10年間に出た新しい全曲盤CDを列挙する前にひとこと。
1918年に初演されてからマルケヴィッチ指揮の「決定盤」が録音された1962年までが44年。それから現時点(2006年)まで、奇しくも同じ44年が経過している。
「兵士の物語」演奏史のいわば分水嶺にあたるこの1962年の時点で、全曲盤はわずか7種しか存在しない。一方、その翌年から今日までに録音された盤は、小生の架蔵するものに限っても、実に23種類を数える。多彩な音源をあれこれ聴き比べる楽しみが増したことは確かだが、いささか粗製乱造ぎみであることも否めない。今回、手持ちのディスクを年代順に聴き通してみると、LPからCDへの世代交替が完了した1990年以降、さしたる必然性もなくつくられた「志の低い」盤が増加する傾向がはっきり認められる。
一方、CD時代に際立つ特色として、放送局などのアーカイヴから過去の音源の発掘が相次いだことが挙げられよう。次に紹介する二つの盤は、こうして世に出たきわめて貴重な「未発表の inédit」「知られざる unconnu」演奏記録なのである。
0)
ディミトリ・ミトロプロス指揮盤(英語版 L'Histoire du soldat)
英訳/ローザ・ニューマーク Rosa Newmark (Newarch と誤記)
語り手/アドルフ・アンダソン Adolph Anderson
悪魔/ジャック・ビトナー Jack Bittner
兵士/ハーバート・ヴォランド Herbert Voland
ジュリアード室内アンサンブル Julliard Chamber Ensemble
ヴァイオリン/Isidore Cohen
コントラバス/Stuart Sankey
クラリネット/Cloyde Williams
ファゴット/Raymond Ojeda
トランペット/Robert Landhold
トロンボーン/Murray Blumenthal
打楽器/Richard Koff
指揮/ディミトリ・ミトロプロス Dimitri Mitropoulos
録音/1948年5月21日、収録場所不明
仏盤 Dante-Lys LYS-243 1997年発売
*このような音源が残されていたことを、このCDで初めて知った。これは現存する「兵士の物語」全曲録音のうちで最古のものとして不滅の価値を有しよう。いかなる機会に収録されたものかは不明ながら、実際の演技を伴う実況録音(放送用? 私家盤?)であり、役者たちの足音、客席からは二度の拍手のほか、盛大な歓声も沸き起こる。音質も時代を考えれば嘘のように明瞭で、ライヴ感が豊か。俳優たちも奏者たちもすこぶる好演しており、指揮のミトロプロスの統率も行き届いている(打楽器奏者のリズム感がイマイチだが)。英訳は旧版で【3】のヴァーディ盤と同じ。
00)
エルネスト・アンセルメ指揮盤(フランス語版 L'Histoire du soldat)
演出/ウィリアム・ジャック William Jacques
振付/ジャン=ベルナール・ルモワーヌ Jean-Bernard Lemoine
語り手/ジル(ジャン=ヴィラール=ジル) Gilles(Jean-Villard-Gilles)
悪魔/ウィリアム・ジャック William Jacques
兵士/フランソワ・シモン François Simon
悪魔(ダンス)/ジャン=ベルナール・ルモワーヌ Jean-Bernard Lemoine
皇女(ダンス)/ヴィオレット・ヴェルディ Violette Verdy
スイス・ロマンド管弦楽団メンバー
Membres de l'Orchestre de la Suisse Romande
ヴァイオリン/Michel Schwalbé
コントラバス/Hans Fryba
クラリネット/Léon Hoogstoel
ファゴット/Henri Helaerts
コルネット/Paolo Longinotti
トロンボーン/Pierre Aubapan
打楽器/Charles Peschier
指揮/エルネスト・アンセルメ Ernest Ansermet
録音/1952年4月17日、ジュネーヴ(Salle de la Réformation)
瑞盤 Claves CD 50-8918 1990年発売
*誰もが存在しないと諦めていた初演者アンセルメの指揮する全曲録音が残されていた! 1952年、ジュネーヴで催されたジュネス・ミュジカル第七回国際会議に際し行われた、オーベルジョノワの舞台装置と実際の演技を伴う、生々しい上演の実況記録である(ラディオ・シュイス・ロマンド提供)。驚いたことに、1918年の初演時に悪魔役を務めたジャン=ヴィラール=ジルが健在で、ここで語り手を務めているのだ。兵士役のフランソワ・シモンはのちに1970年録音のデュトワ盤【9】で悪魔役を担当することになる。
何よりも興味深いのは、ここで用いられたテクストが他のどの演奏とも異なるということ。実は作者ラミュは初演後も何度も台本に手を加え、亡くなる前年の1946年に最終版を仕上げたという。この演奏ではその最終版が使用されたのだ(第二部で皇女の病を治しに来た兵士が悪魔と再会するくだりが甚だしく違う)。さらに驚いたのは、この最終版における改訂・加筆箇所の多くが、1962年録音のマルケヴィッチ盤【7】でも採用されているという事実。永年コクトーの手が加わった改変版と思われていたマルケヴィッチ盤のテクストは、ほとんどラミュによる改訂だったことになる! ちなみに演奏に加わったスイス・ロマンド管の七人の奏者たちは、一人残らず1961年のアンセルメによる組曲版の録音にも参加している。
ボーナス・トラックとして、1940年2月25日にジュネーヴの放送局で演奏された「兵士の物語」から、台本作者ラミュ自身が語り手を務める稀少な録音断片(5分強)が聴けるのも、貴重極まりない。加えて、古澤淑子を独唱者とした「日本の三つの抒情詩」(1950年録音)や、1917年バレエ・リュスのローマ公演用に一晩で書かれた「ヴォルガの舟歌」管弦楽版(1952年録音)も併録。このCDはストラヴィンスキー=アンセルメの演奏史を語るうえで計り知れない価値を有するものとなった。
早起きして「東京国際ブックフェア 2006」に出かける。会場は有明の東京ビッグサイト。巨大な会場で催される巨大イヴェントだ。今年は世界30か国から750社もの参加があるのだという。
一昨年「幻のロシア絵本」展で覆刻版絵本を10冊刊行した折りその制作にあたった印刷会社(日本写真印刷)が、今回のフェアの自社ブースでこれらを紹介することになり、併せてぜひ絵本の現物も比較展示したいと懇請された。展覧会で世話になった同社への恩返しの意味から、手元の数冊を会場まで持参したという次第。
開場30分前に会場入りし、絵本をガラスケースに収めてほっと一安心。今日はずっとここにいて、お客さんからの質問に答えることにする。
せっかくなので、空き時間を利用して他社のブースをあれこれ物色。韓国、マレーシア、インドなどから新しい絵本が出品されていて、それなりに興味をそそられるが、食指が伸びるには至らない。
さんざん歩き回った末、skyfish graphix という出版社のブースで、Anne Bertier なるフランスの女性デザイナーのアルファベット絵本と数字絵本とを買う("dessine-moi une lettre" と "chiffres en tête")。ちょっとエリ・リシツキーの真似っぽいが、いまどきこんな文字絵本を創る心意気に惹かれたのだ。
もう一冊、これはフランス合同出店ブースで見つけたCD付き絵本 "La Boîte à joujoux"(玩具箱)も購入。もちろんドビュッシーの音楽入りの物語だが、元のアンドレ・エレのものとはかなり異なる。新しく付けた絵も悪くない。CDでの朗読が Natalie Dessay というのも楽しみだ。
いやはや、仕事で出かけたはずなのに、すっかりお客気分で散財してしまった。
朝からずっと立ち通しだったのでクタクタだ。今日は早く寝よう。
「兵士の物語」ディスコグラフィ(CD篇 その1)
15)
ライオネル・フレンド指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders+キティ・ブラック Kitty Black
語り手/クリストファー・リー Christopher Lee
スコットランド室内管弦楽団 Scottish Chamber Orchestra
ヴァイオリン/John Tunnell
コントラバス/John Steer
クラリネット/Lewis Morrison
ファゴット/Gareth Newman
トランペット/Peter Franks
トロンボーン/Kevin Thompson
打楽器/Caroline Garden
指揮/ライオネル・フレンド Lionel Friend
録音/1986年4月27-29日、グラズゴー(The City Hall, Glasgow)
英盤 Nimbus NIM-5063 1986年発売
*おそらく世界初のデジタル録音による全曲盤。往年の怪奇映画スター、クリストファー・リーが一人ですべての役を演ずる。これも音盤上では初の試みだった。
16)
バイエルン放送交響楽団ソリスト盤(ドイツ語版 Die Geschichte vom Soldaten)
独訳/ハンス・ラインハルト Hans Reinhart
語り手/ペーター・フリッケ Peter Fricke
Solisten des Symphonieorchesters des Bayerischen Rundfunks
ヴァイオリン/Ernö Sebestyen
コントラバス/Heinrich Braun
クラリネット/Ulf Rodenhäuser
ファゴット/Eberhard Marschall
コルネット/Chandler Goetting
トロンボーン/Hansjörg Profanter
打楽器/Markus Steckeler
指揮/エルネ・セベスティエン Ernö Sebestyen
録音/1987年1月31日、ミュンヘン(Staatliche Hochschule für Musik)
独盤 Calig CAL-50894 1990年発売
*これがドイツ語版による初のディスクか。ヴェテラン舞台俳優による一人芝居。ミュンヘンでの演奏会ライヴ。バイエルン放送協会との共同製作盤。
17)
ドミニク・ドバール指揮盤(フランス語版 L'Histoire du soldat)
語り手/ジョルジュ・デクリエール Georges Descrières
Ensemble instrumental de Basse Normandie
ヴァイオリン/Jean-Pierre Wallez
コントラバス/Fabrice Beguin
クラリネット/Didier Pernoit
ファゴット/Georges Duquesnoy
トランペット/Pierre Gillet
トロンボーン/Jean-Pierre Guillouet
打楽器/Sylvie Dukaez
指揮/ドミニク・ドバール Dominique Debart
録音/音楽=1988年1月、パリ(Salle Adyar)
朗読=1988年5月、パリ(Temple de l'Ascension)
仏盤 Forlane UCD-16580 1988年発売
*これまた一人芝居による。デクリエールはコメディ・フランセーズの俳優とのこと。「初演70周年記念」と銘打たれた盤。
18)
ケント・ナガノ指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders+キティ・ブラック Kitty Black
演出/ロバート・カーセン Robert Carsen
語り手/イアン・マッケレン Ian McKellen
悪魔/ヴァネッサ・レッドグレーヴ Vanessa Redgrave
兵士/スティング Sting
ロンドン・シンフォニエッタ London Sinfonietta
ヴァイオリン/Nona Liddell
コントラバス/Robin Mcgee
クラリネット/Michael Collins
ファゴット/John Orford
トランペット/John Wallace
トロンボーン/David Purser
打楽器/James Holland
指揮/ケント・ナガノ Kent Nagano
録音/1988年、ロンドン(Abbey Road Studios)
米盤 Pangaea PAND-6233 1988年発売
日盤 Sony-Pangaea 28DP 5175 1988年発売
*ロック界のスーパースター、スティングが兵士、イギリスの大女優ヴァネッサ・レッドグレーヴが(何と)悪魔、高名なシェイクスピア役者マッケレンが「語り手」。女性の悪魔役とは前代未聞だが、これが相当に怖い。1977年のヌレーエフ=マクリアモア=グレンダ・ジャクソン盤と並ぶ「ドリーム・キャスト」版。1987年刊行の校訂版楽譜(John Carewe編集)を用いた最初のディスクというのも「売り」。打楽器のパートにかなり異同がある。
19)
パオロ・フェッラーラ指揮盤(イタリア語版 Histoire du soldat)
伊訳/エミリオ・ヨーナ Emilio Jona
語り手/カテリーナ・リベロヴィチ Caterina Liberovici
悪魔/ドメニコ・カスタルド Domenico Castaldo
兵士/エンリコ・ドゥージオ Enrico Dusio
Art Ensemble
ヴァイオリン/Paolo Fantino
コントラバス/Paolo Borsarelli
クラリネット/Fabrizio Fantino
ファゴット/Paolo Calligaris
トランペット/Sandro Angotti
トロンボーン/Alessandra Perinotti
打楽器/Teresa Mantelli
指揮/パオロ・フェッラーラ Paolo Ferrara
録音/1992年(?)
伊盤 DDT 19201 1992年発売
*原作に忠実なイタリア語版。(なお、CDデータが不明瞭なため、悪魔と兵士の配役は逆かもしれない。)
20)
斎藤ネコ指揮盤(日本語版 「兵士の物語」)
台本・演出/加藤 直(Ch. F. ラミューズ原作) Sunao Kato
語り手/戸川 純 Jun Togawa
悪魔/デーモン小暮閣下 His Majesty Demon Kogure
兵士/巻上公一 Koichi Makigami
王女/戸川 純 Jun Togawa
ヴァイオリン/桑野 聖 Hijiri Kuwano
コントラバス/吉野弘志 Hiroshi Yoshino
クラリネット/梅津和時 Kazutoki Umezu
ファゴット/小山 清 Kiyoshi Koyama
コルネット/大倉滋夫 Shigeo Ohkura
トロンボーン/村田陽一 Yoichi Murata
パーカッション/高田みどり Midori Takada
シンセサイザー/石井AQ Ishii AQ
効果音ヴァイオリン/斎藤ネコ Neko Saito
指揮/斎藤ネコ Neko Saito
録音/1992年1月20-22日、秋川キララ・ホール 6月8-9日、TAMCOスタジオ 6月23日、東芝EMI・第3スタジオ
日盤 東芝EMI TOCE-6955 1992年発売
*岩城宏之=観世兄弟盤(1971年録音)に続く、日本人による二つ目の全曲録音。朗読には俳優でなく、個性的なロック・ミュージシャンを起用した。柔軟なアンサンブルともども、高水準の仕上がり。装画は山本容子の銅版画。
21)
[追加]
イアン・ホブソン指揮盤(英語版 L'Histoire du Soldat)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders+キティ・ブラック Kitty Black (短縮版)
語り手/ウィリアム・ウォーフィールド William Warfield
Sinfonia da Camera
ヴァイオリン/Sherban Lupu
コントラバス/Michael Cameron
クラリネット/J. Davis Harris
ファゴット/Sanford Berry
トランペット/Ray Sasaki
トロンボーン/Robert Gray
打楽器/Thomas Siwe
指揮/イアン・ホブソン Ian Hobson
録音/1992年2月6~12日、アーバン・シャンペイン
(Foellinger Graet Hall, Krannert Center for the Performing Arts, University of Illinois)
米盤 Arabesque Z6644 1992年発売
*戦後『ポーギーとベス』欧州興行で名を馳せた名バリトンがひとりで語りと台詞を担当。珍しくも同じく朗読を伴うウォルトンの『ファサード』とのカップリング。そのため台本が大幅に刈り込まれたのが残念。
22)
ペーター・ライナー指揮盤(ドイツ語版 Die Geschichte vom Soldaten)
独訳/ハンス・ラインハルト Hans Reinhart
演出/ハインツ・ネッセルラート Heinz Nesselrath
語り手/ハインツ・シンメルプフェンニヒ Heinz Schimmelpfennig
悪魔/アンドラーシュ・シェルダ András Szerda
兵士/マルクス・ホフマン Markus Hoffmann
ensemble contemporano
ヴァイオリン/Andreas Grötzinger
コントラバス/Fritz Heieck
クラリネット/Peter Przybylla
ファゴット/Bernd Frietsch
トランペット/Peter Leiner
トロンボーン/Jochen Scheerer
打楽器/Guido Marggrander
指揮/ペーター・ライナー Peter Leiner
録音/1992年10月、カイザースラウテルン(Südwestfunk-Studio Kaiserslautern)
独盤 Bayer BR-100 207 1993年発売
*ドイツ語版。声の演技のみで一切の効果音を排したシンプルな演出。奏者はすべて南西ドイツ放送管弦楽団員。このアンサンブルは1987年「兵士の物語」を演奏する目的で結成された。
23)
ネーメ・ヤルヴィ指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders+キティ・ブラック Kitty Black
語り手/オーゲ・ヘウグラン Aage Haugland
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団メンバー Members of the Royal Scottish National Orchestra
ヴァイオリン/unidentified
コントラバス/unidentified
クラリネット/unidentified
ファゴット/unidentified
トランペット/unidentified
トロンボーン/unidentified
打楽器/unidentified
指揮/ネーメ・ヤルヴィ Neeme Järvi
録音/音楽=1986年8月18日、グラズゴー(The Henry Wood Hall)
朗読=1993年2月8‐9日、コペンハーゲン(Focus Recording Studios)
英盤 Chandos CHAN-9189 1993年発売
*ノルウェーのオペラ歌手ヘウグランが達者な英語で独演する。ストラヴィンスキーの管弦楽曲をほとんど録音しているヤルヴィの指揮はきわめて手堅い。
24)
リッカルド・モレッティ指揮盤(イタリア語版 La Storia del Soldato)
脚色/シルヴァーノ・アンブロージ Silvano Ambrogi
演出/アレッサンドロ・トファネッリ Alessandro Tofanelli
語り手/ジャンカルロ・ジャンニーニ Giancarlo Giannini
ボリショイ劇場管弦楽団ソリスト I solisti dell'orchestra sinfonica del Teatro Bolshoj
ヴァイオリン/unidentified
コントラバス/unidentified
クラリネット/unidentified
ファゴット/unidentified
トランペット/unidentified
トロンボーン/unidentified
打楽器/unidentified
指揮/リッカルド・モレッティ Riccardo Moretti
録音/音楽=1993年9月、モスクワ(Studi Gosteleradio)
朗読=1993年10月、ミラーノ(Studi Cetra Art Recording)
伊盤 Fonit Cetra CDC-79 1993年発売
*高名な映画俳優(「イノセント」「流されて…」)によるイタリア語での独演版。さすがに名調子だ。演奏部分はボリショイ劇場管弦楽団メンバーだというが、それにしてはひどい出来。
25)
ランソム・ウィルソン指揮盤(英語版 The Soldier's Tale)
英訳/マイケル・フランダーズ Michael Flanders+キティ・ブラック Kitty Black
語り手/サリー・グッドウィン Sally Goodwin
悪魔/リード・アームストロング Reed Armstrong
兵士/ロン・ボーマー Ron Bohmer
ソリスティ・ニューヨーク Solisti New York
ヴァイオリン/Erica Kiesewetter
コントラバス/Judith Sugarman
クラリネット/Todd Levy
ファゴット/Charles McCracken
トランペット/Christopher Gekker
トロンボーン/John Rojak
打楽器/James Baker
指揮/ランソム・ウィルソン Ransom Wilson
録音/1995年頃
米盤 Chesky CD-122 1995年発売
*英語版によるオーソドックスな好演盤。「ソリスティ・ニューヨーク」は1980年に結成されたアンサンブル。