月刊 "BBC Music" 最新号の附録CDはオール・ショパン・プロ。アニヴァーサリー年に因んだ企画であるが、なかなかに凝った面白い曲目編成なのだ。
"Chopin: 200th Anniversary"
ショパン:
ポロネーズ 嬰ハ短調 作品26-1
ショパン(グラズノーフ編):
組曲「ショピニアーナ」*
~ポロネーズ 作品40-1、夜想曲 作品15-1、マズルカ 作品50-3、タランテラ 作品43
ショパン:
夜想曲 変ホ長調 作品9-2
ショパン(ストラヴィンスキー編):
夜想曲 変イ長調 作品32-2*
ショパン:
夜想曲 嬰ヘ長調 作品15-2
ソナタ 第二番 変ロ短調 作品35
ピアノ/マーティン・ロスコー
ワシーリー・シナイスキー指揮 BBCフィルハーモニック*
2009年10月5日、14日*、マンチェスター、新放送会館、スタジオ7
BBC Music MM315 (2010)
ショパンのピアノ音楽と、それに管弦楽の衣裳を纏わせた編曲物と、両者を交互に聴かせるという趣向。これまでにありそうでなかったものだ。
グラズノーフの組曲「
ショピニアーナ」は1894年の作。これに円舞曲(第七番 嬰ハ短調 作品64-2)編曲を追加し、同名のバレエとして1907年フォーキン振付で露都マリインスキー劇場にて初演。確たるプロットなきバレエの嚆矢とされる。
1909年、ディアギレフはバレエ・リュスの初公演に際しこれに大鉈を振い、上述の円舞曲一曲を残してすべての音楽を差し替え、リャードフ、タネーエフ、チェレプニンらに新たな編曲を依嘱したのである。これがバレエ『
レ・シルフィード』。曲数は八曲に増えた。このとき二十六歳の若造だったストラヴィンスキーも駆り出され、夜想曲(変イ長調 作品32-2)とフィナーレの「華麗なる大円舞曲」(変ホ長調 作品18)の二曲を担当した。このアルバムに収録された一曲はまさにその編曲版。記念すべきストラヴィンスキー最初のバレエ音楽である。