月末もいよいよ押し詰まって漸く原稿の執筆に取りかかる。
ニジンスキー体験後の山田耕筰の動向を追う。ところがこれが一筋縄ではいかない。彼はその直後、ベルリンの同じ劇場でアンナ・パヴロワのバレエを鑑賞するのだが、その舞台の詳細がよくわからない。皆目わからぬなら諦めもつくのだが、中途半端にわかるので却って始末に負えないのだ。
夜遅くまで書き継いでようやく四分の一あたりまで漕ぎつけた、この調子ならあと数日で目鼻が付きそうな気がする。希望的観測なのだが。
就眠前に少しだけ安らぎの音楽。
アラン・ブッシュ:
英国の古のシー・ソングによる変奏曲、夜想曲と終曲
フレデリック・ディーリアス:
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ピアノ/デイヴィッド・ワイルド
ジョン・スナシャル指揮
ヴァイオリン/ジェラルド・ウォーバーグ
チェロ/レイモンド・コーエン
ノーマン・デル・マー指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
1960年代中頃、ロンドン
Precision Records & Tapes PVCD 8372 (1984)
お目当ては勿論ディーリアスだ。遠い昔LP(英Pye原盤=テイチク)で耳にしたきり永く聴く機会を逸していた演奏。恐らく同曲の最初の録音であろう。三十年ぶり位か。懐かしさでちょっと涙が滲んだ。
後年メニューインとトルトリエという世界的名手ふたりが共演した「決定盤」が出たのだが、最初に聴いたこの演奏がどうにも忘れられなかった。共感の深さがまるで違う。ディーリアスはこうでなくちゃね。