新宿の中古レコード店で買物をしたら珍しい覆刻盤CDが只で付いてきた。元になった50年代前半のLPの盤質が芳しくないのが残念だが、鳴っている音楽そのものはきわめて上質だ。
〈ジネット・ドワイヤン ピアノ・リサイタル〉
ショパン:
バラード 第一、二、三、四番
円舞曲 第五、十四、一、六番
シャブリエ:
アルバムの一葉
気紛れなブーレ
サン=サーンス:
アレグロ・アッパシオナート 作品70-1
トッカータ 作品111-6
ピアノ/ジネット・ドワイヤン
1952年6月(バラード)、53年10月(シャブリエ)
ディスクユニオン Classics-MO 2010 (2009)
ジネット・ドワイヤン(Ginette Doyen 1921-2002)はメンデルスゾーンの「無言歌」全曲盤がかつて話題になったことがある程度で、実兄のジャン・ドワイヤンほどの知名度はない。パリ音楽院の名教授ラザール=レヴィの教え子で、安川加壽子のクラスメートだったそうだ。
今日では絶えて聴くことのできないフランスならではの高雅なショパンもさることながら、水を得た魚さながらシャブリエが目の覚めるような名演だ。サン=サーンスの華麗絢爛ぶりもいい。
それにしても些か興醒めなほどに音の悪い覆刻盤である。まあ無料で頂戴したのだからとやかく文句は云えないが。
ジネット・ドワイヤンにはこのほかイベールの「物語」抜粋や、夫君ジャン・フルニエと組んだフローラン・シュミットのヴァイオリン・ソナタの正規CDがどこかにあったはずだ。いずれ別室の棚で探してみよう。