もう少しで終わりそうなのに終われない。「バレエ・リュス」原稿の締め括りがどうしてもうまくいかず試行錯誤で一日が暮れた。結局、今夜もまだお預けだ。
ともあれやるだけやったので、逸る心を鎮めるべく、それにふさわしいチェロを聴く。天下一品のチェリスト、そうダヴィッド・ゲリンガスだ。驚いたことにゲリンガスの過去のアルバムを集大成したCD十一枚組が出た。
"The Original Jacket Collection: David Geringas" という。さあどれから聴くべきか、迷った挙句、最初のディスクからにする。でもそれは極め付きの一枚だ。
シューマン: チェロ協奏曲
チャイコフスキー: ロココ主題による変奏曲
チェロ/ダヴィッド・ゲリンガス
ローレンス・フォスター指揮
ロンドン交響楽団
1979年1月、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
Sony 88697472862-01 (2009)
なんという深い音楽なのだろう。安らぎと慰め、夢想と想像力の飛翔。