江ノ電で鎌倉駅まで引き返し、そこから歩くつもりでいたのだが、雨はいよいよ降りしきる。なので路線バスで「大学前」まで乗って、そこから八幡宮脇の道を傘を差してとぼとぼ進む。閑静な住宅街を十分ほど歩いただろうか、瀟洒なヴェランダを構えた一軒家が見えてきた。目指す家はどうやらあそこらしい。
作家の里見弴が自ら設計して1926(大正十五/昭和元)年から住んだという洋館。八十年以上経った今もほぼ昔どおりの姿でひっそりと佇む。現在では「西御門サローネ」として、さまざまな催しに使われている由。今夕はこの家の室内を舞台にチェーホフ劇が上演される。このところ家人が贔屓にしている「東京ノーヴイ・レパートリーシアター」が演じるのだという。
ワーニャ伯父さん
台本/アントン・チェーホフ
翻訳/中本信幸
演出/レオニード・アニシモフ
出演/
ワーニャ伯父=菅沢 晃
医師アーストロフ=渡部朋彦
セレブリャーコフ教授=稲田栄二
教授の妻エレーナ=麻田枝里
教授と先妻の娘ソーニャ=小関敦子
ワーニャの母ヴォイニーツカヤ夫人=中村恵子
居候テレーギン=岡崎弘司
乳母マリーナ=山下智寿子
下男エフィーム=一柳 潤
(まだ書き出し)