先日たまたま聴いて感心した英国の新星ケイト・ロイヤル嬢。なので今度は彼女のデビュー盤を安価で見つけてきた。
"Kate Royal"
ドビュッシー: リアのアリア「空しく歳月は過ぎ」 ~「放蕩息子」
ドリーブ: カディスの娘たち
カントルーブ: バイレロ、女房持ちは哀れ、捨てられた娘 ~「オーヴェルニュの歌」
ラヴェル: ハバネラ形式のヴォカリーズ
ストラヴィンスキー: 「トムから便りなし」「お父さんだ! 私に見捨てられようか」「私は行く、彼の許へと」 ~「道楽者の成り行き」
オルフ: 天秤に乗せて ~「カルミナ・ブラーナ」
シュトラウス: 子守唄、花束を編みたかった、明日
グラナードス: 嘆き歌 またはマハと夜鶯
ロドリーゴ: 「四つの愛のマドリガル」
イングランド民謡: 立麝香草の小枝
ソプラノ/ケイト・ロイヤル
エドワード・ガードナー指揮 アカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
2007年2月1~4日、5月19日、ロンドン、アビー・ロード、第一スタジオ
EMI 3 94419 2 (2007)
遅蒔きながらケイト姫の途轍もないヴァーサタイルな才能にまたもや舌を巻く。
デビュー・アルバムでこれだけ凝った選曲を実現できるとは驚きだ。周囲の知恵者の助言もあったろうが、かくも多彩な音楽をそれなりの水準で聴かせるとはやはり只者ぢゃない。冒頭のドビュッシーや「オーヴェルニュの歌」では歌いっぷりが素直すぎ些か平板で味が薄いと感じたが、ストラヴィンスキーの『道楽者の成り行き』からの一連の三曲(周知のとおり初演者はシュヴァルツコップその人だ)を難なくこなすところは天晴れというほかない。シュトラウスからスペイン近代を経て英国民謡でしみじみ締め括られるエンディングが心憎い。
グラインドボーンで注目されたケイト姫はごく最近コヴェントガーデンでトマス・アデスの新作オペラ『テンペスト』でミランダ役を見事に唄い演じたらしい。プロスぺロ役はキーンリーサイドだと。う~ん、これは観てみたい!