なんだか一週間の疲れがドッと出た。眼が疲れてしまって読書も儘ならない。
こういうときは心身を休めるような音楽がどうしても聴きたくなる。そこでかねて馴染の愛聴盤をおもむろに取り出す。
チャイコフスキー: 弦楽セレナード
アレンスキー: チャイコフスキーの主題による変奏曲
ショスタコーヴィチ(バルシャイ編): 室内交響曲 ハ短調 (弦楽四重奏曲 第八番)
サウリュス・ソンデツキス指揮
エルミタージュ劇場室内管弦楽団
1990年、レニングラード
Мелодия SUCD 11-00301 (1991)
なんと懐の深いチャイコフスキーであろう。スタイリッシュな洗練や気取りとは無縁、むしろ素朴なほどにしみじみ歌い上げる、どちらかといえば古風な語り口なのであるが、それがこの演奏を際立たせる。こんなにいい曲だったのか、と随所で気づかされる。アレンスキーも同工の行き方。ショスタコーヴィチは徒にささくれだったり深刻がる演奏ではないが、深いところまで届く洞察力や意味深い響きに驚かされる。
ソンデツキスは今やリトアニアの長老的存在だが、レニングラード=サンクト・ペテルブルグにも拠点があり、このエルミタージュ美術館のレジデンス・オーケストラも彼の手兵なのだそうだ。この街を初めて訪れた1988年のことをふと思い出す。