耳元で目覚まし時計がけたたましく鳴って渋々起き出す。三時半だ。まずはヴェランダで一服して覚醒。それから書評の執筆に取りかかる。
八百字という制約があるので、本の内容を手際よく紹介し、それなりに位置づけコメントせねばならぬ。採り上げる以上は読者が読みたくなるよう誘うのは当然だが、多少は苦言だって呈さねば気が済まない。いや~難しいものだなあ。
何通りか考えておいた書き出しだが、いざ始めてみたら勿体ぶった枕なぞは不要。単刀直入に本題に入るしかないことがわかる。八百字という分量は、いわば三分間トーク。愚図愚図と無駄話をしている暇はないのだ。
七時半にようやく脱稿。まだ読み直してはいないが、分量的にはぴったり。まずはこれで筆を措き、起き出した家人が淹れてくれた熱い珈琲を飲もう。再読するには冷静な編集者に戻る必要がある。