折りに触れて取り上げているように、英国の月刊音楽誌 "BBC Music" の附録CDには、ロンドンやマンチェスターで収録された貴重な実況録音や放送用スタジオ録音が収録されているので見逃せない。しかも元来が只で付いてくるオマケなので、中古価格が嘘のように安価なのだ。
なので見つけると必ず手にするようにしているのだが、それでは埒が明かないので海外から取り寄せてみた。それでも安いのだ。
ラヴェル:
バレエ組曲『ダフニスとクロエ』第一番、第二番
リヒャルト・シュトラウス:
交響詩「ドン・キホーテ」*
アンドレ・プレヴィン指揮
ロンドン交響楽団
チェロ/ティム・ヒュー、ヴィオラ/ポール・シルヴァーソーン*
1997年6月1日、1995年6月15日、ロンドン、バービカン・ホール(実況)
BBC Music MM 73 (1998)
プレヴィンが自家薬籠中のものとした演目をかつての手兵LSOとの実況録音で聴ける歓びは何物にも代えがたい。ラヴェルが全曲でなく合唱抜きなのが残念だが、演奏そのものはきわめて柔和にして繊細、シュトラウスもたっぷりとゆとりのある名演である。バービカンの客席でこれらを日常的に聴けた倫敦っ子が心底羨ましい。
ドビュッシー:
ピアノのために
「映像」第一集、第二集
ラヴェル:
クープランの墓
ピアノ/ヴラド・ペルルミュテール
1968年10月7日、1970年3月21日、ロンドン、BBCスタジオ
BBC Music MM 230 (2003)
これはもうなんというか、人類の宝なのではなかろうか。とりわけ「映像」第二集は他に録音がない筈なので貴重このうえない。他の曲についても Nimbus の正規録音はいささか残響が多すぎてペルルミュテールの明晰なタッチを捉え損なっている気味があるので、このオーソドックスなBBC録音の存在価値は値千金なのである。