これは有名な演奏なのであろうか。90年代当時の新譜にまるで不案内な小生は先日たまたま中古屋の店頭で手にして初めてその存在を知ったのである。そして今日これを聴くなりしみじみ幸福な気分になった。
ブラームス: ピアノ三重奏曲 第一番 ロ長調 作品8
べートーヴェン: ピアノ三重奏曲 第七番 変ロ長調 作品97 「大公」
ピアノ/アンドレ・プレヴィン
ヴァイオリン/ヴィクトリヤ・ムローワ
チェロ/ハインリヒ・シフ
1993年6月、ロンドン、ブラックヒース・コンサート・ホール
Philips 442 123-2 (1995)
なんと音楽的に充実した演奏であろう。高名なソロイスト(プレヴィンは指揮者だが)が三人集まると個性の凌ぎ合いになりがちだが、この三人は控え目というのではないのだが、我を張りすぎず飽くまでも楽曲に奉仕するところが素晴らしい。とりわけプレヴィンはむしろ背後に控える奥床しさで弦のふたりを支えている。
寝床で聴いているのでこれにて失礼。