暑い一日だった。なので外出は陽が傾いてから。目的地の代官山に着いたのは六時近かった。
旧山手通り沿いの複合施設ヒルサイドテラスのギャラリー「ヒルサイドフォーラム」で写真展「
知られざるリトアニア Unseen Lithuania」が始まった。同国を代表する気鋭の写真家、
マーリュス・ヨーヴァイシャ Marius Jovaiša が一年間にわたってリトアニア全土を空から見下ろして撮りためた写真を選りすぐって展示する。
会場に並ぶのは四十点ほどの写真だが、どれも息を呑むほど美しい。奇蹟的と呼びたくなる素晴らしさだ。これに合わせて出版される同題の写真集にはニ百数十点が収められており、すでに世界十か国語版が出版されている。このたび十一番目として日本語版が刊行される。会場にはその見本が置かれていた。ちょうど二か月前、校閲スタッフのひとりとしてその翻訳の手直しに関わったので、出来映えが大いに気になるところだが、なんとか大過なく仕上がりそうだ。
今日は展覧会初日なので七時から写真家ご本人がトークショーを催した。スライドを映写しながら流暢な英語で展覧会と写真集のコンセプトや見どころ、撮影の苦労話を披露。最後に聴衆に向けて質問。「写真を見ていて、是非リトアニアに行かなくちゃ、と思った人はいませんか?」。あちこちで手が挙がった。もちろん小生もだ。
見知らぬ遙か彼方の国を旅するような、ときめきに満ちた好もしい展覧会だ。是非ご覧じろ。会期は十九日まで。