思いっきり寝坊して起きたら外は気持ちよく晴れている。
今日は七月七日。七夕の当日が晴天というのは珍しいのではないか。
そもそも七夕は旧暦で祝うのが筋というものだ。じめじめした梅雨時に星祭りは似合わないし、そもそも満足に星空が拝めた試しがないのである。だから一箇月後の八月上旬に祝うほうがずっといい。
だいたい肝腎の主役である織姫(織女星)と彦星(牽牛星)、すなわち琴座の
ヴェガと鷲座の
アルタイルが、この季節の夕暮時にはまだ東の空の低い位置にあって、夜半近くにならないとじっくり拝見できないので、七夕をこの季節に祝うのは早すぎることがわかる。これが八月になると、ちょうど観やすい位置まで昇ってくるのだが。
もしも今夜が晴れたなら、久しぶりに夜空を眺めてみることをお勧めしたい。
冬に比べ、夏の夜空には明るい星が少なくてちょっとがっかりなのだが、それでも南天やや低いあたりに赤く不気味な蠍座の
アンタレスが望めるし、夜遅くには
ヴェガ(織姫)、
アルタイル(彦星)、それに白鳥座の
デネブの明るい三つ星が象る壮大な「夏の大三角」が愉しめる。ほかに目ぼしい星がないので、この天空の(ほぼ)直角三角形がたいそう際立つのだ。
天体観測にはまるきり縁がないなあ、という初心者に便利なサイトがある(
→ここ)。月刊誌『天文ガイド』の「今月の星空」。あるいは国立天文台が月ごとに提供する「ほしぞら情報」(
→ここ)。これらのサイトで今時分の星空にざっと見当をつけてからヴェランダに出てみると、案外たやすく星を名指しできるものだ。