締切日だというのに原稿が捗らない。書きだしのところで逡巡。あいかわらずの非力さにわれながら嫌になる。明日の朝には耳を揃えて提出することで赦してもらったのだが、果たしてどうなることやら。
先日、竹橋の東京国立近代美術館で「
寝るひと・立つひと・もたれるひと」という小企画展が始まったことはすでに当ブログでも話題にしたが(「展覧会は小さいほうがいい」
→ここ)、その企画者である蔵屋美香さんから、同展の背景をなす萬鉄五郎の特異な人体表現に関する同題の論考をご恵贈いただいた。たいそう示唆的で説得力に富む内容なので、多くの方に一読をお勧めしたいが、あいにく「東京国立近代美術館 研究紀要」という非売品の刊行物なので、入手は難しかろう。
実はこの論考は疾うに読んでしまっている。同内容のPDFが美術館のサイトで閲覧が可能なのだ(
→ここ)。なんとも便利な時代になったものである。
小生も萬鉄五郎に関心を寄せる者の端くれとして、この論考には大いに刺激を受けた。いずれ「バレエ・リュスと日本人たち」を書き進めていくうち、萬の項に差し掛かったら改めて考えを深めたい。1913年の秋頃、萬は一時的に「ニジンスキーのバレ」に関心を抱き、何枚もの小スケッチをしたためているのである。