昨夜は恵比寿で会食。愉しい集いだったのだが、帰宅は深夜になった。なので今朝は遅く目覚めてのそのそと執筆の準備に取り掛かる。例の月イチのお務め「旅するアート」である。
寝ぼけまなこに喝を入れねばならぬ。溌剌と威勢のいい音楽はないものか。
「ショスタコーヴィチ未発表作品集 The Manuscripts of D. Shostakovich」
ショスタコーヴィチ:
管弦楽のためのスケルツォ 嬰へ短調 作品1
管弦楽のための主題と変奏 変ロ長調 作品3
管弦楽のためのスケルツォ 変ホ長調 作品7
映画『女ひとり』の音楽による組曲 作品26
日本の詩による六つの歌曲 作品21*
未完のアニメ映画『司祭とその下男バルダの物語』の音楽による組曲 作品36
独唱と管弦楽のための「クルィロフの二つの寓話」 作品4**
ドレッセルの歌劇『哀れなコロンブス』のための序曲 作品23
スカルラッティの二つの小品 作品17
蚤の歌 (ベートーヴェン作)***
ポルカ「楽しい列車」(ヨハン・シュトラウス作)
私は洞穴で待っていた (リムスキー=コルサコフ作)****
タヒチ・トロット 作品16 (ヴィンセント・ユーマンス作)
テノール/アレクセイ・マスレンニコフ*
ソプラノ/ガリーナ・ボリソーワ、モスクワ音楽院室内合唱団**
バス/エヴゲニー・ネステレンコ***
ソプラノ/アラ・アブラベルジエワ****
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮
ソヴィエト国立文化省交響楽団
ソヴィエト国立交響楽団
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1982、1979年
ビクター Мелодия VICC-40053/54 (1991)
これは素晴らしい二枚組だ。青年期の歌劇『鼻』の復活上演に携わり、最晩年のショスタコーヴィチの信頼厚かったロジェストヴェンスキー会心のアルバム二枚をそっくり再録したCD。世界広しといえども、この二枚をセットにしたのはわがニッポンだけだと思う。ただし疾うに廃盤で入手は難しいのだけれど。
収録曲は当時すべて未知のものばかり、ロジェストヴェンスキー自らが苦労して草稿を発掘し、初録音に漕ぎつけた(今だに唯一の録音のものもある)。13歳(!)のデビュー作から死の年のベートーヴェン編曲まで、どんな小曲にもショスタコーヴィチの才能が煌めいている。久しぶりに破天荒なアニメ音楽やら絶妙な「タヒチ・トロット」やらを耳にして、こちらの心までウキウキ。