NHKの衛星放送が始まって二十年になるのだそうだ。そこで過去に放送したドキュメンタリー番組を盛んに再放映しているようだ。友人から「これは必見だ」と強く勧められ、昨晩こんな番組を観た。
BS世界のドキュメンタリー BS20周年選
シリーズ ユーゴスラビアの崩壊
第一回 民族主義の台頭
(口上)
1989年以後の世界を象徴する出来事とも言える旧ユーゴスラビア連邦の解体。様々な紆余曲折を経て、現在の国家群になる過程を描いた6本シリーズ。旧ユーゴスラビアの各共和国や自治州の歴史と現実を見据え、なぜユーゴスラビアが分裂したか、西側諸国や国連はなぜ紛争を止められなかったのかを明らかにする。1996年制作。
当時のセルビア共和国大統領で、その後逮捕されたミロシェビッチ(故人)をはじめ、各共和国の大統領など紛争の鍵を握る人物がほぼ全てインタビューに応じており、それぞれ初めて公開する事実も含めて語るほか、これまで門外不出だった当時の機密映像などを駆使して検証し、連邦解体の舞台裏が詳細に描かれた大作。
第1回は、ミロシェビッチがセルビア民族主義を掲げて権力の座につき、コソボ自治州のアルバニア人弾圧が始まった1980年代終わりから、1990年にスロベニアとクロアチアが連邦に反旗を翻し、ユーゴスラビアの分裂が避けられない状況に至るまでを描く。(全6回)
1995年に英国のブルック・ラッピング(ブライアン・ラッピング・アソシエイツ)が制作したシリーズの第一作。
これは凄い。ユーゴスラヴィア崩壊から泥沼の内戦へと到る過程は、同時代を生きていながらまるで詳らかにしない。複雑すぎて理解できないのだ。このシリーズは驚くべき記録映像をふんだんに駆使しながら、その発端から(とりあえずの)戦争終結までの一部始終を解きほぐす。第一回目はセルビアのミロシェヴィチが民族主義を手玉にとりながら権力の座に昇りつめるまでを描く。うわあ知らないことばかりだ。片時も目が離せない。
続きは今日から金曜まで。放映時間は深夜だが頑張って観よう。