今にも降り出しそうな空模様。なので今日は終日ずっと在宅だ。
朝から家人に手伝ってもらって、今度の週末たて続けにある講演会に必要な画像をパソコンに取り込む作業に勤しむ。
一方は川崎でのソクーロフの映画上映会、片方は宇都宮での「日本の表現主義」展、まるきり異なる場所と聴衆、講演内容も互いになんの関わりもないので、並行して準備しているとなんだか気が狂いそう。
なので今日のところはまず前者に照準を合わせ、ガリーナ・ヴィシネフスカヤについて考えをまとめることにしよう。
家人は落語会に行くのだといそいそと外出。これ幸い、ならば当方は好きな音楽を大音声で思う存分かけまくるのだ。文句あるか。
モーツァルト:
交響曲 第二十八番、第三十六番
フランス・ブリュッヘン指揮
18世紀管弦楽団
1990年6月、1989年11月、ユトレヒト
Philips 432 177-2 (1991)
すっきり爽快なモーツァルト。現今のブリュッヘンの行き方とは随分と違う。今の境地のほうが遙かに玄妙で深いのだが、この明快な割り切りもまた捨てがたいのだ。
ハイドン: 交響曲 第八十五番
サン=ジョルジュ: 交響曲 二長調
モーツァルト: 交響曲 第三十一番
フランス・ブリュッヘン指揮
スコットランド室内管弦楽団
2006年1月20日、グラズゴー(実況)
Dirigent DIR 0087 (2008)
ブリュッヘンの近況を伝えるのが海賊盤とは悲しいが致し方ない。モダン楽器から柔和で滋味深い響きを引き出す。先日の新日フィルとのハイドンを想起させる演奏。
モーツァルト: ディヴェルティメント 二長調 K.136
ブラームス: 交響曲 第四番
イシュトヴァーン・ケルテス指揮
ハンガリー放送交響楽団
1970年6月4日、ブダペスト(実況)
Kapellmeister KMS 214 (2008)
海賊盤ついでにこんな驚くべき演奏。ハンガリー動乱で国外に出たケルテスに里帰り演奏が存在したなんて知らなんだ。しかも心躍る秀演だ。ステレオ収録が嬉しい。
ブラームス:
ヴィオラと弦楽のための協奏曲 ロ短調 作品115bis (バシュメット編)
ショスタコーヴィチ:
ヴィオラと弦楽のためのシンフォニア 作品138bis (A・チャイコフスキー編)
ヴィオラ・指揮/ユーリー・バシュメット
モスクワ・ソロイスツ
1998年3月21~22日、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
Sony SK 60550 (1998)
見慣れぬ曲にハッとするが、なんのことはない、それぞれクラリネット五重奏と第十三クァルテットのヴィオラ協奏曲仕立て。バシュメットの満足げな顔が目に浮かぶ。
プロコフィエフ:
交響曲 第六番*、第五番**
レオポルド・ストコフスキー指揮
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団*、モスクワ放送交響楽団**
1949年12月4日、ニューヨーク、カーネギー・ホール (アメリカ初演実況)
1958年6月、モスクワ (実況)
Memories MR 2067 (2008)
録音は悪いが、プロコフィエフの同時代の推進役による交響曲演奏は価値が高い。東西の都での実況というのも興味津々。しかも思いのほか正統的解釈なのである。
次はなんにしようかな、と思ったところで家人が帰宅。なので、これにて打ち止め。