昨日の散策の続きをひとくさり。
三井一号館の復元と中央郵便局の解体を同時に体験したら、さすがに足が草臥れたし喉もカラカラ。なのでどこかカフェを求めて新丸ビルに足を踏み入れると、一階の吹き抜けの一郭に手頃なカフェがみえた。
近寄って看板を一瞥して魂消た、その名も "Café de Yuming" という。知らなかったなあ、そんな店があったなんて。
このカフェには何度か来ているが、こんな名とはついぞ気づかなかった。それもそのはず、ここは「丸の内カフェ ease」というのが正式名で「ユーミン・カフェ」とは今だけ期間限定の呼称なのだ。それにしては大掛かりな絵看板をほうぼうに掲げて賑々しくやっている。
ネットでちょっと調べたら、今度の日曜まで僅か七日間のイヴェントであるらしい。
(口上)
ユーミンこと松任谷由実の35作目・3年振りのアルバム「そしてもう一度夢見るだろう」(4月8日リリース)の誕生を記念し、丸の内で様々なユーミン・ワールドを展開する「三菱地所 & Suono Dolce with Yuming in Marunouchi」。このイベントの一環として、丸の内カフェ イーズが期間限定でユーミンカフェに変身します。ここだけでしか味わえないニューアルバムにちなんだ限定メニューも登場し、店内BGMもユーミン一色に!!また、ご来店の方には、素敵なプレゼントがもらえるチャンスも。詳しくはお店で。
なるほどそういうことなのか、要するにニュー・アルバムの宣伝キャンペーンなのだ。
どうりで珈琲一杯飲んだだけなのに、十二枚組の絵葉書ブックを進呈された。う~ん、今更ユーミンのポストカードなんて気恥ずかしくて使えないけど、貰って悪い気はしない。有難く頂戴した。
ようやく少し元気が回復したので、今度は東京駅の赤煉瓦駅舎の復元工事を覗いてみる。すでにほうぼうが覆いで隠され、足場が組まれつつある。一部では新たな部材を組み込んで外壁復元が始まっている。掲示看板の説明を読んでみたら、この復元工事はたいそう大掛かりだ。
左右の大屋根を全面的にやり直すのは当然として(現状は当初とまるで違う仮屋根なのだ)、駅舎本体も戦前は三階建だったのが戦災で三階部分を焼失したため、とりあえず二階建に改めたのが現状なのだという。それをすべて元の三階建に復元するというのだから、これは大変だ。
それも単に三階部分を付加するのではなく、現在は二階の外回りにずらりと並ぶ装飾柱の柱頭部分を剥ぎ取っていちいち三階の所定位置に嵌め込むという手間のかかる作業を伴う。考えただけでも面倒で気が遠くなりそう。しかもその間も駅は平常営業を続けなければならない。
ともあれ、辰野金吾の代表作が当初の形で甦るのだから楽しみだ。竣工は再来年だという。プロコフィエフも宿泊した由緒正しい「ステーションホテル」も、居心地の良い「ステーションギャラリー」もそのとき営業再開だそうだ。
建築細部を眺めるためずっと上方を見上げていたので首が痛くなった。なので即席の建築探訪はこれにて幕。
最後は「丸善」丸の内店に立ち寄って、面白そうな新刊書をいろいろと物色。その収穫物はおいおいここでご紹介できるだろう。