久しぶりに気持ちよく晴れた。暖かな陽射しを浴びてぬくぬく朝寝を決め込んでいたらいきなり叩き起こされる。
出掛けるから早く着換えろという。すっかり失念していたが、今日は歌舞伎観劇の日だという。慌てて身支度をして飛び出す。
永田町駅から最高裁と国会図書館の間を堀端へ抜けて国立劇場へ。この道を歩くのもずいぶん久しぶり。十一時半の開演まで三十分ほどあるので場内の売店でサンドウィッチと珈琲を購め、ベンチで早めの昼食。
「三月花形歌舞伎公演」、今日が初日だという。これが歌舞伎座だともっと賑々しい雰囲気なのだろうが、この劇場はいつもとおんなじで、ゆったり、おっとり。家人の話だと、いつぞや歌舞伎座で今回の演し物の後半部分(魚屋宗五郎)のみだが、菊五郎が主役の魚屋を演じるのを観てたいそう面白かった由。このたびは珍しく通し狂言なので前日談が明かされ、因果応報、起承転結がわかるのでお勧めだという。
通し狂言 新皿屋舗月雨暈
お蔦殺しと魚屋宗五郎~四幕六場~
作/河竹黙阿弥
監修/尾上菊五郎=監修
序幕 磯部邸弁天堂の場~お蔦部屋の場
二幕 磯部邸井戸館詮議の場
三幕 片門前魚屋宗五郎内の場
四幕 磯部邸玄関先の場~庭先の場
愛妾お蔦&宗五郎女房おはま/片岡孝太郎
魚屋宗五郎/尾上松緑
浦戸紋三郎&小奴三吉/坂東亀寿
召使おなぎ/中村梅枝
鳶吉五郎/中村萬太郎
岩上典蔵/片岡亀蔵
磯部主計之介/大谷友右衛門
家老浦戸十左衛門/坂東彦三郎
ほか
(まだ書き出し)