昨日せっかく養生したのに、所用があって上京したのがいけなかった。すっかり風邪がぶり返し、ひどい咳がとまらない。ひっきりなしに鼻水が出る。これは辛い。
這うようにしてお茶の水に辿り着く。こんな日にも中古CDを漁ってしまうのだから、我ながら呆れる。咳き込みながら一心にディスクを探す姿はさながら幽鬼の如し。
"Artur Rubinstein Live in Warsaw"
ショパン: ピアノ協奏曲 第二番
ブラームス: ピアノ協奏曲 第二番
ショパン: 英雄ポロネーズ
ブラームス: ピアノ協奏曲 第二番(リハーサル)
ピアノ/アルトゥール・ルービンスタイン
ヴィトルド・ロヴィツキ指揮 ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
1960年2月22日、ワルシャワ
Altara ALT 1021 (2006)
ルービンスタインがショパン・コンクールの審査員長として帰郷した際に催した特別演奏会。当日はショパンの150回目の誕生日にあたっていた。そんなわけで当時としては稀少なステレオ実況録音が残されたのだろう。疾うに七十を超えたピアニストは老いてなお矍鑠、どころか若やいで溌剌と瑞々しい。ロヴィツキの積極果敢な伴奏と相俟って途轍もない名演となった。
"Jolivet Conducts Jolivet"
ジョリヴェ:
フルートと打楽器のための協奏的組曲
七人の奏者のための狂詩曲
アンドレ・ジョリヴェ指揮
小出信也+岡田知之+百瀬和紀+今村三明+有賀誠門
田中千香士+田中雅彦+浜中浩一+山畑馨+北村源三+伊藤清+有賀誠門
1970年9月29日、東京、ビクター・スタジオ
Victor-Tower Records NCS-547 (2006)
LP時代に珍重して聴いた憶えのあるアルバム。作曲者自らがN響のトップ奏者たちのアンサンブルを指揮するという、当時としては夢のような企画である。しかもたいそう素晴らしい出来。これはほぼ同時期にイーゴリ・マルケヴィッチが日本フィルを指揮した二枚のLPと並び称さるべきコラボレーションなのである。誰もが忘れていた本録音を蘇らせたタワーレコードの慧眼は称賛に値しよう。