喉風邪なので外出はご法度。なので終日ぼおっと音楽を聴く。慌しく推移した十二月にこんなエアポケットみたいな日が一日くらいあってもいい。
ショスタコーヴィチ: 交響曲 第十五番
モーツァルト: 交響曲 第三十五番
ジョナサン・ダーリントン指揮 デュースブルク・フィルハーモニー管弦楽団
2006年8月30、31日、デュースブルク、アム・マリエントア劇場
Acousence ACO-CD 20607 (2007)
久しぶりにショスタコーヴィチの第十五番に目覚ましい演奏が加わった。引き締まった造形とダイナミズムの大きな振幅。実況演奏ながら疵らしい疵がないのも立派。同日演奏の「ハフナー」はまあ悪くないといった出来。
ハイドン: 交響曲 第44番、ピアノフォルテ協奏曲 ニ長調*、交響曲 第45番
ヨス・ファン・インメルセール指揮&ピアノ* アニマ・エテルナ
2003年6月11、12、14日、ブリュージュ、コンセルトヘバウ
Zigzag ZZT 040203 (2003)
「告別」交響曲が聴きもの。のっけから編成がえらく少なく(vnI=2, vnII=2, va=1, vc=1, cb=1, ob=2, fb=1,Hn=2)、響きの薄さと玄妙さ、意味深さが重なりあうユニークな演奏。ただでさえ少ない楽員が終楽章でさらに減っていって「そして誰もいなくなった」。
エルガー: 序曲「南国にて(アレッシオ)」、交響曲 第一番
ネヴィル・マリナー卿指揮 アカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
1990年11月24~26日、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
Collins 12692 (1991)
五月に本拠地たる英都の教会堂での演奏に接して以来、ネヴィル卿のディスクは見つけたら手に取るようにしている。このエルガーなども、愛情と自身に裏打ちされた頗るつきの秀演なのだ。版元廃業というただそれだけの理由で忘却の淵に沈むのはあまりに理不尽だ。
"English Idyll"
ヴォーン・ウィリアムズ: ロマンツァ
エルガー: ロマンス 二短調、牧歌
ディーリアス: カプリスとエレジー
グレインジャー: ユースフル・ラプチャー
ジョージ・ダイソン: 幻想曲
アイアランド: 聖なる少年
ヘンリー・ウォルフォード・デイヴィス: 厳粛な旋律
グレインジャー: ブリッグ・フェア
ホルスト: インヴォケーション
シリル・スコット: パストラルとリール
チェロ/ジュリアン・ロイド・ウェッバー
ネヴィル・マリナー卿指揮 アカデミー・オヴ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
1994年1月4~8日、セント・ジョンズ、スミス・スクェア、ロンドン
Philips 442 530-2 (1994)
冬の夜長にしみじみ聴くのに英国音楽の人肌の感触はちょうどよい。チェロ独奏、弦楽合奏付きの「ブリッグ・フェア」、堪らなくいいなあ、染みるなあ。
ぺーテリス・ヴァスクス:
ヴァイオリン協奏曲「遠い光」*
ムシカ・ドロロサ Musica dolorosa
ウィアトレ Viatore
カタリナ・アンドレアソン指揮&ヴァイオリン* スウェーデン室内管弦楽団
2003年1月、オレブロ楽堂
BIS BIS-CD-1150 (2004)
年の暮れの週末にヴァスクスの深く沈潜する音楽が似つかわしい。いつの間にかこの「遠い光」も馴染の曲になってしまった。