ふう、さっき大学から戻った。久しぶりに教壇に立ったのだけれど、なんというか、手応えは「暖簾に腕押し」。こんなものなのかなあ。
ロシア文化との関わりについて、各回「読み切り」で全五回しゃべるうちの第一回目。まずは自己紹介を兼ねて、長く奉職した川村記念美術館が所蔵するカジミール・マレーヴィチの油彩画『シュプレマティズム』に焦点を当てて語ったのだが、少しは理解されたのかどうか。サッパリわからない。
八十人くらい集まった学生に、手始めにまず「このなかで川村記念美術館に行ったことのある人は?」と尋ねたところ、誰一人手を挙げる者がいない。う~ん、これはキビシイなあ。もちろん「マレーヴィチ」も、「スプレマチズム」も、ロシア・アヴァンギャルドですら「初耳」とおぼしい。そんなもんなのかなあ? 最前列で眠り出す奴や、途中退席する輩がいなかったのはせめてもの救いなのだけれど。
次回以降はバレエ・リュス、ロシア絵本、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフについてしゃべることになっているのだけれど、どの程度つっこんだ内容にするかは未定。よくよく考え直さねばなるまい。
授業を主宰された鴻野わか菜さん、十一月に講師を務める井上徹さんのおふたりが席に陣取って聴講されていたのでどっと冷汗。ロシア文化研究の専門家に一部始終をチェックされて、身も細る思いがした。
帰路はこれから新木場方面に向かわれるという井上徹さんと途中までご一緒し、あれこれ四方山話。西船橋でお別れした。
ほどなくして家人が日本舞踊の稽古から帰宅。開口一番「初講義どうだった?」と尋ねられて答えに窮する。うまくいったか否か、それすらが定かでないからだ。
ヴェランダに出て一服ふかす。素晴らしい夕映え。宵の明星が輝いていた。