東京から帰宅したらどっと疲れが出た。
9,000字を超え終盤にさしかかった原稿をなんとか仕上げてしまいたいのだが、この調子ではちょっと無理かもしれない。ならば、校閲のほうを少しでも進めようとしたら、隣室の家人が「TVにペトゥラ・クラークが出ている」という。
すわ一大事、何事かと思ったら、彼女がピーター・オトゥールと共演した映画『チップス先生さようなら』(1969)ではないか! 未だかつてスクリーンで目にしたことのない作品だが、昔TVで観た憶えがあるし、サントラ盤はちゃんともっている。
これは何というか、まるでミュージカル映画の体をなしていないし、絶頂期のペトゥラが歌い演じる姿が拝めるという以外に取り柄のない作品なのだが、それでも彼女の声が聴こえると、もう抗しきれない。どうしてもそちらをチラチラ観てしまうので、これではさっぱり仕事にならない。