出かけようと支度をしていたら猛烈な雨になった。今日もどうやら荒模様。
正午過ぎに銀座に着いたら、こちらは一滴も降っていない。ちょいとHMVで買い物をしていたら、その十五分ほどの間に凄い土砂降りになった。とても表には出られないので、しばし珈琲屋で待機。半時間ほどしたら、嘘のように上がっていた。気紛れな空に翻弄されっ放し。
そのあと久しぶりに山野楽器でCDを見る。なぜかここは発見の多い店なのである。
"A Balanchine Album"
『セレナード』 ~チャイコフスキー: 弦楽セレナード
『四気質』 ~ヒンデミット: 四気質
『アゴン』 ~ストラヴィンスキー: アゴン
『エメラルド』 ~フォーレ: ペレアスとメリザンド+シャイロック
ロバート・アーヴィング指揮 ニューヨーク・シティ・バレエ管弦楽団
1986年2月、パーチャス、ニューヨーク州立大学
Nonesuch 79135-2 (2004)
これは懐かしい。LP時代の末期、バランシンの生前に出たオマージュ・アルバム。振付師ゆかりの楽曲を集め、お抱え指揮者アーヴィングが振る。ジャケット写真はカルティエ=ブレッソンが提供し、白地の瀟洒なデザインがよく映えた(デザイン=ヘンリエッタ・コンダック)。もちろん拙著『12インチのギャラリー』でも大きく採り上げた。CDで聴くのはこれが初めて。正直言って、演奏の質は今ひとつなのだが、『セレナード』の曲順が原曲と違うなど、聴きどころ満載だ。
ケックラン: ジャングル・ブック
ステュアート・ベッドフォード指揮 モンペリエ・ラングドック=ルーシヨン国立管弦楽団 ほか
1998年7月22日、モンペリエ・ベルリオーズ歌劇場 (実況)
Accord 480 0792 (2007)
これも再発盤なのだが、推奨できる演奏なので。ケックランの「ジャングル・ブック」連作が通しで聴けるなんて夢のようだ! シャルル・ケックランといえばフォーレの「ペレアスとメリザンド」の管弦楽編曲のみ知られ、自作といえばアンタル・ドラーティが録音した「バンダール=ログ」(ジャングル・ブックの一部)と、アルトサックスのための「ジーン・ハーローの墓碑」しか聴けなかったわが青春期(四十年ほど昔)とは隔世の感がある。長生きしてみるものだ。
"Jacqueline du Pré's Musical Stories"
プロコフィエフ: ピーターと狼
朗読/ジャクリーヌ・デュ・プレ
イギリス室内管弦楽団
1979年10月、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール
Eloquence 480 0475 (2008)
ドイツ・グラモフォンから1980年に出たLPは独盤も日本盤ももちろん架蔵しているのだが、今に到るまで針を落としたためしがなかった。辛すぎて手に取れなかったのだ。彼女が世を去ってからはなおのことだ。だから今こうして聴くのが初めて。想像したとおり、アルトの落ち着いた声。発音は正統的なクィーンズ・イングリッシュだ。
山野楽器で一時間ほど過ごしたのち、有楽町駅脇を抜けて日比谷方面へ。
空腹を覚えたので「麹蔵」という奄美・薩摩料理の店でラフティー定食をいただく。ご飯大盛り、食後の珈琲セルフサーヴィス付きで八百円はきわめて良心的。しかも美味しい。
そのあと、日比谷で今日のお目当ての演奏会へ。これは項を改めよう。