東京へ出たついでに、山手線で恵比寿に出て、夕刻 youngtree press という出版社に立ち寄る。近刊書籍の校閲のお手伝いをする件で打ち合わせ。
担当者の岸本さんとひとしきり話し込む。彼女とはこの七月の東京国際ブックフェアの会場でひょんなことから偶然知り合った。若いのにとても落ち着いた編集者なのに感心。分厚い校正刷の束を手渡される。限られた時間を有効に使って、より良い本に仕上げようと誓い合った。
まだ発送の仕事があるという彼女をあとに残して帰路につく。恵比寿の駅前まで来るとさすがに空腹をおぼえ、行き当たりばったりに、無国籍風の居酒屋というかバーというか、小奇麗な店があったので、そこに入って冷やしたシェリーをいただく。あとはつまみを幾品か。どれもたいそう旨い。ひとりにんまり。
小一時間ほどいて、あとはJRを乗り継いで千葉まで帰り着く。車中で聴いたのはチャイコフスキーの弦楽合奏曲「フィレンツェの思い出」。グルジア室内管弦楽団の演奏。指揮はヴァイオリニストとして高名なリアナ・イサカーゼ Liana Isakadze、弦楽六重奏から弦楽合奏用に編曲したのも彼女自身だという。しみじみと良い演奏に聴き惚れるうち、最寄りの駅に到着。