朝方は薄曇りだったから、ヴェランダへ出ると海風が心地よい。
これはひょっとして過ごしやすい一日になるかと思いきや、十一時過ぎから強い日差しが照りつける、相も変らぬ真夏日と相成った。やれやれ。
意を決して千葉市の中央図書館まで出向くことにする。どうしても済ませねばならぬ調べものがあるからだ。到着すると、ちょうど昼飯時になったので、近くのロールキャベツとタンシチューの店「巻葉亭」でランチをいただく。名物料理二品とライス、サラダと珈琲がついて千二百円はいかにも安い。こんなに美味しいというのに。ワインも頼みたかったが、今日はぐっと我慢。
図書館には二時間近くいただろうか。あれやこれや目移りばかりして、肝腎の調べもののほうはまるで捗らない。
改めて出直すことにして辞去。傾きかけた西陽がなお容赦なく照りつけるなか、千葉駅前まで移動し、ヨドバシカメラでPCを物色。何が何やらサッパリわからず往生する。どこがどう違い、どう優れているのやら、まるきり判断ができない。先日、友人が推奨してくれた機種があったので、迷うことなくそれにした。
そのあと、同じ建物内の山野楽器を覗いたら、CDの(ほぼ)半額バーゲンをやっていた。七、八枚見繕ったが、ほとんどがPCを教えてくれた友人やピアノ好きな友人への進呈用。自分自身のためにはこの一枚きり。
"Dame Myra Hess: Live Recordings from the University of Illinois, 1949"
バッハ: パルティータ 第四番
ベートーヴェン: ソナタ 第十七番「テンペスト」
グリーグ: ピアノ協奏曲 より 第一楽章*
ショパン: 練習曲 作品25-1, 3
バッハ: フランス組曲 第五番 より ジーグ
ピアノ/マイラ・ヘス
ヴィクター・コラー指揮 デトロイト交響楽団*
1949年3月18日、イリノイ大学(実況)
1937年3月7日放送、CBS
Appian Publicationa & Recordings APR 5549 (2001)
そんな次第で、黄昏時にようやく帰宅。
窓を大きく開け放つと、涼しい夕風が吹き込んで風鈴を鳴らす。
グルジア・ワイン「ピロスマニ」のボトルを傾け、家人お手製の冷製ラタトゥーユと糠漬をつまみにチビチビ飲る。これぞ夏の宵の極上の快楽である。
これから連載原稿の仕上げにかかる。PCの接続作業は週末になりそうだ。