たった今、倫敦から戻ってきたところ。
変わらないようでいて、この街も確実に変貌しつつある。じっくり腰を据えて滞在するのは2000年以来、実に八年ぶりだったので、いろいろ戸惑うことも多かった。今回の旅にはプロコフィエフ・アーカイヴを訪問するという目的があったため、郊外のグリニッジに宿をとったことも手伝って、都心ばかり歩いていたこれまでとはいささか勝手が違い、馴染だったはずの倫敦がまるで違う街に思えることも少なくなかった。
正味十八日間の滞在で、コンサートを十九、芝居を四つ、オペラとバレエをそれぞれ二つずつ、合計二十七の舞台に接したのだから、まあ貪欲な旅だったといえるのではないか。
それらの感想はおいおい書き綴っていくことにして、ここでまず結論から言ってしまうと、足繁く通った割りに、一生の思い出になるような演奏会にはほとんど遭遇できず、むしろ観劇のほうに忘れがたい体験があった。やはり倫敦は音楽の街である以上に、演劇都市であるということなのか。
時差のせいもあって、なんだか頭がすっきりしない。