昨日さっと仕上げて送った原稿について、編集部から「レイアウトしてみたら八行もはみ出している」との連絡があった。少し長めかと思ってはいたが、そこまでとは露知らず。さっそく冒頭部分を書き換え、冗漫なところを切り詰めて一件落着。お蔭で文章が引き締まった、と負け惜しみを言ってみる。
東京からの帰途、例に拠ってお茶の水で一時間ほど中古CDを漁る。
まずは飽きもせずプロコフィエフ。
"Prokofiev the Pianist"
プロコフィエフ:
トッカータ 作品11
行進曲 作品12-1
ガヴォット 作品12-2
リゴードン 作品12-3
前奏曲 作品12-7
スケルツォ 作品12-10
「サルカズム」より 二曲 作品17-1, 2
「年老いた祖母のお話」より 作品31-3
「三つのオレンジへの恋」より 間奏曲
ムソルグスキー: 「展覧会の絵」より ブィドロ、卵の殻をつけた雛の踊り
グラズノーフ: ガヴォット 作品49-3
ミャスコフスキー: 気紛れ 作品25-1, 6
スクリャービン: 前奏曲 作品45-5、有翼の詩 作品51-3
リムスキー=コルサコフ(プロコフィエフ編): 「シェヘラザード」による幻想曲
ピアノ・ロール/セルゲイ・プロコフィエフ
1920年頃、ニューヨーク
Acrobat Music FABCD 120 (2008)
プロコフィエフがイオリアン社のDuo-Art ピアノロールに吹き込んだ(というか穿孔方式なので「打ち込んだ」か)録音の大半が聴ける重宝なCDである。
ここで未収録はあと四曲(「三つのオレンジへの恋」の行進曲、「展覧会の絵」のプロムナードと古城、ラフマニノフの前奏曲作品23-5)。
自動ピアノ特有のどこか機械人形めいたメカニックなタッチがいささか気になるが、それでも明瞭なピアノの音で作曲者自身の解釈が聴けるのは僥倖といわねばなるまい。このほか「展覧会の絵」からの二曲も聴きもの。聴き進むうち、プロコフィエフの演奏に間近で聴き入る大田黒元雄のような心境になってきた。
五月に倫敦で開催される「プロコフィエフ・スタディ・デイ」では、これらの録音を自動ピアノによって再生する試みも披露されるというから楽しみだ。
このほか、ホルショフスキのオールドバラ音楽祭ライヴ(BBC Legends)、セーゲルスタム指揮のシベリウス「第六」「第七」ライヴ(BBC Music)、ライスターらによるレーガーのクラリネット五重奏曲(Camerata)など。どれも五百~八百円という嬉しい安さだ。いずれ順繰りにご紹介しよう。
続きは寝床で聴くとしよう。