朝から雨がしとしと降りしきる鬱陶しい日。
外出には不向きな日だが、かねてから予定していたとおり、JRと地下鉄と東急を乗り継いではるばる用賀へ。さらにここから二十分ほど遊歩道を歩いて砧公園へ。この公園を斜めに突っ切るとようやく世田谷美術館に辿りつく。天気が良ければ恰好の散歩コースなのだが、今日はさすがに辛い。
ここでは展覧会「イリヤ・カバコフ『世界図鑑』 絵本と原画」を開催中。すでに葉山の神奈川県立近代美術館でつぶさに拝見したので、再見するには及ばず(というか、もう沢山だ)という気分だったのだが、今日ここで関連企画として催される記念講演会を聴くのが今日の目的なのだ。それには展覧会チケットが必要だというので、致し方なく購入。
折角なので、ざっと一時間ほどかけて展覧会を観る。同じ絵本と原画が並んでいるのに、葉山とはまるで趣が違うのにちょっと吃驚。あちらが「インスタレーション」だったのに対し、こちらは「絵本展」。展示空間そのもので訴えかけようとした葉山に対し、世田谷は個々の絵本をオーソドックスに展示する行き方といおうか。そのため、前回は気づかなかった細部の発見も少なくなかった。とはいえ、それで絵本作家カバコフに対する否定的評価が変わるわけではないのだが。
そのあと館内の美術図書室で一時間ほど調べもの。これから連載の執筆を控えて、例に拠って泥縄の勉強である。
昼過ぎ、煙草を吸いにちょっと表に出たところで、今日の講演者である田中友子さんにばったり出くわす。お目にかかるのは昨秋、葉山での本展オープニング以来だ。いきなり「沼辺さん、お痩せになりましたね」と言われる。不意を突かれハッとしたが、まあ致し方ない。なにしろこの一箇月で体重が五キロ減ったのだ。
そのまま会場の講堂へ。
(明日へつづく)