月が改まり、いよいよ春めいてきた。
そろそろ穴倉から這い出て、新しい目標を掲げて前進しようと心に誓う。それをわざわざここに書くのは、そうすることで決意をいわば既成事実化して、怠け者の自分の退路を絶とうという思惑からだ。
その一。
まず、じっくり考えを煮詰めたうえで、「ロシア絵本と同時代美術の関連」についての論考を執筆。世界の絵本の歴史を通観する大著のほんの一部分を占めるものだ。
これはまあ、十枚程度(本の一見開き)の小エッセイなので、書き出せば造作ないだろうと思う。
その二。
十年前にセゾン美術館の「ディアギレフのバレエ・リュス」展カタログに寄稿した論考「ニジンスキーを観た日本人たち」を英文に翻訳する。
これはちょっと荷が重い大仕事だ。自分がかつて書いた文章なので、内容はよくわかっているつもりだが、いざ英訳するとなると、いささかたじろぐ。なにしろ原稿用紙で三十枚もあるのだ。
これは小生が大田黒元雄とプロコフィエフの出会いを初めて論じた文章である(そのくだりは
→ここ)。ならば、どんなに拙くとも英文に直して、ロンドンのプロコフィエフ財団の方々に読んでいただこうと考えた次第である。
折りに触れ、これを少しずつ進めていこうと思う。月末までに訳了したい。
もちろん、その合間を縫って、まだ継続中のフィルムセンターでのマキノ特集にも足を運ぶ。
これが小生が掲げる「三月の誓い」である。皆さんは期せずしてその証人というわけ。