さすがに寝坊した。昨夜は昂奮して寝つかれず、朝起きてからもブルーズの余韻が頭のなかで木霊している。
吉祥寺でみつけてきたCDをいくつか聴いてみる。さして期待もせず、安価に惹かれ手にしただけの一枚に仰天する。目の覚めるような名演だったのだ。
スメタナ: 「故郷から」第一番 イ長調*
プロコフィエフ: 「ペーチャと狼」 より 主題と行進曲*、「ロミオとジュリエット」 より 仮面劇*
チャイコフスキー: ヴァルス=スケルツォ、憂鬱なセレナード
ショーソン: 詩曲
ラヴェル: ツィガーヌ
サン=サーンス: ハバネラ
ヴァイオリン=レオニード・コーガン
ピアノ=ヴラジーミル・ヤンポリスキー(*)
ズデニェク・ハラバラ指揮 モスクワ放送交響楽団
1947年(*)、1957年(実況)
Multisonic 31 0255-2 (1994)
素姓の疑わしいチェコの群小レーベルから出た覆刻盤だが、演奏の水準は驚くほど高く、音質も悪くない。なによりもプロコフィエフの生前に収録された二曲に目をみはる。とりわけ「ピーターと狼」。ヴァイオリンとピアノ用の編曲、それもほんの三分半ほどの抜粋とはいえ、(もし年代の記載が誤りでなければ)これはロシア人演奏による「ペーチャ」最古の録音ではないか。
後半の管弦楽伴奏のライヴでは、コーガンの冴え冴えとした怜悧な演奏を堪能。
これで酔眼もぱっちり開き、背筋がピンと伸びた。さあ今日は一日どう過ごそうか。