昨日の月は「仲秋の名月」とはいうものの、満月には少し足らず、「月齢カレンダー」によれば十三夜の月である由。家人になぜそうなるのか尋ねられるが、うまく説明できず悔しかった。
つまり要するに、「仲秋の名月」とは旧暦の八月十五日の月を指しており、必ずしもその晩が満月だとは限らない。そもそも旧暦(太陰暦)は月の運行に一応は基づいてはいるものの、実際の満ち欠けとは微妙なズレが生じる。ちょっと調べてみたら、仲秋の名月がぴたり十五夜に該当する年もあれば、最大二日ほどの齟齬が生じることもあるのだという。今年はつまり後者の年だったという次第である。
そこで今夜も夕食後、散歩を兼ねてちょっと外出し、家人に縷々説明して聴かせるのだが、どうしても腑に落ちない様子。まあ、いいのだ。
昨晩と異なり、ずいぶん曇ってはいるものの、それでも群雲の合間からときおり月が姿を覗かせる。もう肉眼では完全な満月に見えるのだが、実際には十四夜。周囲の雲がぼんやり真珠色に照り輝いてたいそう美しい。
二十分ほど歩いて帰宅。喉が乾いたので熱い珈琲でも淹れようか。
珈琲といえば、今ちょうど書店に並んでいる雑誌『TITLE』が「Coffee & Music」なる特集を組んでいる。表紙はスタジオでレコーディング中の細野晴臣御大。珈琲を飲んで一服しているところ。なかなか味のある、ほんわかと心なごむ良い写真だ。
この特集には新作レコーディングについてのインタヴューに加え、細野さんの選んだ「おすすめコーヒーミュージック」が六枚。そのなかに、出たばかりのライ・クーダーの最新アルバム "My Name Is Buddy" が含まれていて嬉しかった。
なんたって、
→これ ですものね。