だるいなあ、外出はよそうか、とも思ったが、雨降りではないので、かねてからの予定どおり、JRと地下鉄とゆりかもめを乗り継いで東京ビッグサイトへ。
「東京国際ブックフェア」を覗いてみた。この催しは一昨日からだが、それはあくまで関係者向けで、一般公開は今日と明日だけ。昼少し前に着いたら、いやはや凄い人の波。とにかく会場が広いので、初めての人は右往左往、途方に暮れるだろう。
このフェアには昨年も足を運んで、もう勝手がわかっている。ブース配置もほとんど同じなので、まごつくことはない。まずはフランスBIEF(Bureau international de l'édition française)のブースへ直行。ここは近刊の美術書や絵本がすべて半額で提供されるのだ。
初日ではないからだろうか、昨年ほどの収穫はないが、次の二冊にちょっと心惹かれた。
David Merveille, d'après Jacques Tati: Le Jacquot de Monsieur Hulot
Les Editions du Rouergue, 2005
Jacques Prévert + Jacqueline Duhême (images): Balades
Gallimard Jeunesse, 2007
前者はジャック・タチの創造した「ユロ氏」を主人公とした新作絵本。ほとんど台詞のない映画の顰みに倣い、テクストを伴わない絵本である。自転車で外出したユロ氏は一羽の鸚鵡を手に入れ、嬉々として家路につくが、うっかり籠から逃がしてしまい…。最後のオチが素晴らしく洒落ている。タチの映画が好きな方には絶対的にお勧めの一冊。のんびりした絵がいい(
→表紙)。
後者は今年が歿後三十年になるプレヴェールの長短の詩篇を集めた子供向けの詩画集(
→表紙)。
これがどちらも1,240円だというのだから嬉しい。
スペイン、イタリア、ベルギー、エジプト、イランなどのブースも絵本を並べていたが、欲しいとまでは思わなかった。
そのあと、前回いろいろ収穫があった「スカイフィッシュ・グラフィックス Skyfish Graphix」を訪ねる。今年も昨年に劣らず魅力的な品揃えなのに驚く。絵本制作・輸入を手掛ける東京・中野の会社だそうだが、よほどの目利きがいるのだろう、手に取るとどれも欲しくなる。
Guillaume Apollinaire + Michel Vincenot (dessins): Le Bestiaire
Passage Piétons, 2004
Guillaume Apollinaire + Nathalie Trovato (dessins): La suite de Cendrillon. Passage Piétons, 2005
Alexandre Afanassiev + Etienne Beck (images):
P'tigars-P'tidoigt
édition MeMo, 2007
André Beucler + Nathalie Parain (images): Mon chat
édition MeMo, 2006
最初の二冊はアポリネールにグラフィティふうの線画を添えた瀟洒な詩画集。三冊目はアファナーシエフのロシア民話集の一篇に新しくカラフルな絵を添えた絵本。最後は名高い「ペール・カストール」アルバムの一冊(1930)の丁寧な覆刻版(
→ここに説明)。この四冊で11,880円はちと手痛いのだが、いずれも素晴らしい仕上がりゆえ、手に取らぬわけにいかない。
そのあとは平凡社や河出書房や国書刊行会のブースを覗いたが、さしたる発見はなし。ポーラ文化研究所で廃刊になった『is』のバックナンバー一冊百円を数冊買ったくらいか。それでもほうぼうで出版目録や広報誌やパンフ類を貰ったので、いつの間にか手提袋がはち切れそう。
家を出るときの予定ではこのあと神保町へ出て、そこから御茶ノ水へ、春日へ、と巡り歩くつもりだったのだが、このまま重たい荷物を抱えて彷徨うのは辛い。ゆりかもめで車窓の眺めを楽しんだら、今日はもうこれで充分という気持ちになった。
帰宅後はさすがにグッタリ。のんびりとCDを聴く。家人が帰ってくるにはまだ間がありそうだ。