ここらでちょっとインターミッション。
今日は5月15日。すっかり失念していたのだが、たった今、みのもんたの番組の「今日は何の日」というコーナーで、「五・一五事件」からちょうど七十五年目だと報じていた。暗殺された犬養毅の孫・犬養康彦さん(79歳)が出演してあの日のことを回想していた。彼はそのとき官邸の祖父のすぐそばにいたのだ。
「なにしろ殺された木堂さんよりも、犯行に及んだ将校たちのほうに同情が集まる時代で、彼らの助命嘆願の署名が百万人分も集まったんですからね」
「もしもあのとき木堂さんが殺されなかったら、あの戦争は起こらなかった…と、そう言えたらいいのですが、結局そうはならなかったでしょうねぇ。軍部の膨張は凄まじい勢いだったし、時代の趨勢はもう雪崩を打つように戦争へと突き進んでいって、誰の力でも止められなかったのではないでしょうか」
あの日あのとき、石井桃子さんはちょうど25歳だったのだな、と今更のように噛み締める。
先日、図書館で当時の『文藝春秋』を精査した結果、石井さんが四谷の木堂邸で図書整理を頼まれたのは、(小生が推測した1931年ではなくて)1932年の春、すなわち「五・一五事件」勃発のすぐ直前であったらしいことがほぼ確定した。それならばなおのこと、その日の石井さんの衝撃のほどが偲ばれよう。