爽快な風を受けながらスイスイ自転車で走る。
床屋で久しぶりに髪を切ったせいもあるのだが、無上の心地よさだ。からっと乾燥していて、降り注ぐ陽射しもほどよくて、まるで初夏の倫敦のよう。
ところが途中で園芸用の土を20キロ、それに底石やプランターを買い足し、自転車の籠に無理やり詰め込んでからは事態は一変。転ばぬよう注意しつつ、よろけながら、重いペダルを漕ぐ。とたんに汗がどっと噴き出して、やっとの思いで帰りついた。
これから朝顔の苗の移し替えをするのだが、昼日中は避けたほうがいいので、午後遅くまで待ったほうがよさそうだ。
近所で蚤の市をやっているので、ちょっと覗いてこよう。ついでに屋台で昼食といこうか。
(追記)
蚤の市の定番商品は不要になった子供服なのだが、傍らの箱には読み古した絵本もちらほら。
まあほとんどが愚にもつかぬたぐいなのだが、それにしても子供の成長とともに、古着よろしく絵本をさっさと手放してしまう親の無頓着さは嘆かわしい。あとになって思い出したり再読したりする機会を奪ってしまって、それで果たしてよいものか。
小生や小生の妹のように、子供時代に読んだ本が一冊残らずまるごと手許に残っているというケースは稀であるらしい。成長記録を写真アルバムにとどめておくのもよいが、どんな本を読んで育ったかも、その人のアイデンティティと不可分なのだ。
…そんなことをつらつら考えながら、屋台から屋台へとハシゴ。紙コップでビールを呑みながら、焼き鳥、つくね、フランクフルト、蛸飯、チヂミ、カレーライス、京風ヤキソバ、カット・パイナップルと食べ歩き、最後にカクテルをぐいと立ち飲み。さすがに満腹かつ酩酊した。眠たい、そして気だるい。夕方まで昼寝としよう。