今日も野暮用で東京へ出たので、夕方遅くなったが飯田橋で途中下車、外堀沿いの土手を市ヶ谷までゆっくり歩く。
ここ二、三日、暖かかったので、一斉に花が開いた。木によって差があるが、おおむね五分咲きから七分咲きといったところか。遠目に見ると満開のようでも、傍に寄って観察するとまだまだ蕾がたくさんある。この週末がほんとうの見頃になるだろう。
若い頃は人並に、地べたに坐って皆と賑やかに騒ぐのが楽しかったが、三十代半ば頃から心境が変化し、花の下をただ通りぬけるだけで充分、という心持ちになった。
明日もどこかで花見をやろう。ひとり静かに。
そのあと御茶ノ水へ出て、いつもどおりディスクユニオンでCD補給。
ブリュノー: レクイエム、「ラザロ」
ジャック・メルシエ/イル・ド・フランス国立管弦楽団、メートリーズ・ド・パリ ほか
Adès 204512
*文豪ゾラと親しかったアルフレッド・ブリュノー(1857-1934)の未知の二曲。後者はゾラのテクストに付曲したオラトリオ。ちょっと聴いてみたら、なかなかに美しく流麗。
マルティヌー: 「調理場のレヴュー」、クラリネット・ソナタ、パストラル、四重奏曲
ミシェル・ズコフスキー(cl)、ロサンジェルス・ボヘミアン・アンサンブル
Summit DCD 214
*佳曲「厨房レヴュー」(1927)が聴きたくて。三曲目の「パストラル」(1951)は五本のリコーダー、クラリネット、二丁のヴァイオリン、チェロという変わった編成。なんとあの「トラップ・ファミリー」(←「サウンド・オヴ・ミュージック」)のために作曲されたという!
プロコフィエフ: 交響曲第1~4番、劇音楽「ハムレット」
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送交響楽団、ソ連文化省交響楽団
BMG Melodiya 74321 66979 2
*交響曲は懐かしい演奏。初めて聴いてからもう三十五年以上になろうか。やっぱり溌剌たる名演。マルティノンも小澤もいいけれど、このプロコフィエフは極め付きだ。
明日こそは原稿が書けますように…。