田舎へ墓参りの予定がキャンセルになったので、これ幸いとゆっくり朝寝坊する。
外はうららかに晴れた春日和。家人に付き合って近所を散歩。背中に当たる日差しが温かい。公園ではシートを敷いて昼食をとる家族づれ、キャッチボールする親子、仲睦まじく寝転んだカップルなど、いかにも長閑な春の景色だ。白木蓮がほうぼうで咲き出し、早咲きの河津桜はもう満開だ。
その足で駅前のシネコンまで行き、「ドリームガールズ」を観る。初老割引(?)とやらで二人で二千円。アカデミー賞で取り沙汰されたフィルムなので少しは期待したのだが、これが惨憺たる出来。ブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品の例に洩れず、達者な歌唱だけが取柄の、退屈きわまる二時間だった。家人はそれなりに楽しんだ様子だが、小生には我慢ならなかった。
ストーリーが陳腐なのは原作がそうなのだから致し方ないが、そこに台詞と演技できちんと肉付けしないのでは、演出不在といわれても申し開きできないだろう。映画化する意味がどこにあるのだろう。そもそも、このミュージカル自体がダイアナ・ロス&シュープリームズのサクセス・ストーリーの「なぞり」なのだが、本映画はさらにそのまた「なぞり」なので始末が悪い。ミュージカルから音楽だけ抽出し、それに映像を付加したかのごとき代物に、三百円以上の値打ちがあろうとは思えなかった。
外に出たらちょうど暮れ方。ライトアップされた河津桜をもう一度眺めて帰った。