今日も朝から晩まで東京。しかもあちこち移動したので草臥れた。
まず電車を乗り継いで秋葉原に出て、今日が退院という叔母に付き添う。世話になった看護婦さんに挨拶し、そのままタクシーで足立区の自宅に帰るのに同行。荷物持ちが小生の役回りである。叔母は八十歳ながら矍鑠としており、日常生活に戻れる安堵感からか声も弾んでいた。
思いのほか早く、昼前にお役御免となったので、そのまま地下鉄を乗り継いで、広尾の都立中央図書館へ。
新聞室で戦前の縮刷版やデータベースをちょっと調べたあと、巌谷小波の『日本昔噺』を閲覧。いずれ19世紀末に出た元版を手に取りたいのだが、今日のところは近年出た「東洋文庫」版で我慢する。必要な箇所をコピーして作業終了。
そろそろ帰ろうと一階ロビーの硝子ケースを覗くと、1930年代にパリで出た絵本叢書「ペール・カストールのアルバム」が陳列されている。『りすのパナシ』『バーバ・ヤガー』など、十冊にも満たないささやかな展示だが、なんだか嬉しくなる。いずれも都立多摩図書館の蔵書だそうだ。今の展示は「ロジャンコフスキーとナタリー・パラン」(~2月28日)、そのあと「子どもの知的興味にこたえて」に展示替になる由(3月2日~4月4日)。
ゆるゆると日が傾いてきたので、有栖川公園を抜けて駅まで戻り、また地下鉄を乗り継いで文京区白山へ。友人の荒川俊児君を仕事場に訪ねる。用件は昨年から懸案となっているHP立ち上げの件。
彼とはついこの間の新年会で会ったばかりだが、今日はサシでじっくり話し合い、いろいろとアイディアを出し合う。三十年前、公害反対運動で協働した頃の熱っぽい気分が甦る。
まあ、お互いもう若くはないので、昔のようにがむしゃらに動き回ることは叶わぬが、旧友たちと語らって何か面白いことができはしないか、と考えているのである。
行きの車中で、昨日に引き続き「ユーラシア・ブックレット」を読む。今日は大島幹雄の『ボリショイサーカス』。これまた巻を措くあたわざる面白い読物。
帰りの車中では、石垣綾子の自叙伝『さらばわがアメリカ』を読了。
これらについては後日また、ここで詳しく書こう。