四谷三丁目で地下鉄を降りて、三栄町の新宿歴史博物館へ。「博物館ボランティア養成講座」で「博物館・美術館ボランティア入門」と題して話をする。もっとも、前もって決まっているのは標題だけで、内容については未定。その場の成り行きで思いつくまま即興で話すことになろう。イチかバチか、賭けみたいなもの。
開講まで間があるので、地下の企画展示室で写真展「記憶のなかの新宿 vol.2」を見学。1960年代を中心に、新宿が大改造される直前のありさまを六十点の風景写真で特集したもの。靖国通りを走る都電、新宿東映、新宿文化、新宿ロマンなどの懐かしい映画館、ゴールデン街と平行して走る線路、四ツ谷の文化放送、河田町のフジテレビ、上智のイグナチオ教会の先代の建物…。すべては印画紙と記憶のなかにしかない風景だ。こぢんまりした展示だが、それぞれの写真には同じ場所を同一アングルで撮影した現況写真も添えられ、変貌の大きさをまざまざと実感させる。新宿の街に思い出のある方に一見をお奨めしたい展観だ。
事務所で昼食をいただきながら、同館学芸員の北見恭一さんからこれまでの経緯をうかがう。三年目に入ったヴォランティアのガイド活動は予想以上に順調に進捗している模様。今回募集した第三期生三十余名には、従来の「林芙美子記念館」のみならず、史跡巡りや本館での展示品ガイドも受け持ってもらう予定、とのこと。これで総勢百名という大所帯になったので、メンバー全員を束ね、導いていく館員の苦労は並大抵のことではなかろう。
午後二時から四時まで講演。参加者の熱意に感心する。それにひきかえ、当方のしゃべりはちょっと行き当たりばったりだったなあ、と反省するも後の祭り。
昨日・今日と出歩いたので疲れた。帰りの車中ではずっと寝てしまった。