JRと地下鉄を乗り継いで池袋へ。友人のUMIさんを勤め先近くまで訪ね、ミュージカル「スウィーニー・トッド」のチケットを譲り受ける。
ソンドハイムの旧作を宮本亜門が演出・振付、主演は市村正親と大竹しのぶ。昨年だったか宮本が手がけたソンドハイムの「イントゥ・ザ・ウッズ」が素晴らしかっただけに、今度の舞台が楽しみだ。しかも座席は最前列。今からわくわくする。
そのまま帰ってもよかったのだが、好天に誘われて、電車を乗り継いで吉祥寺へ。久しぶりにディスクユニオンに寄ったら、どういうわけか、掘り出し物が面白いように見つかる。ほどなく手籠がCDで一杯になった。
二時間近くかけて帰宅。さっそく聴き始める。
"Unquiet Peace―The Lied Between the Wars"
シンディア・シーデン(s)、ウィリアム・シャープ(bar)、スティーヴン・ブライアー(pf)
Koch 3-7086-2H1 (録音:1991)
*両大戦間のドイツ歌曲アンソロジー。シュトラウス、プフィッツナー、ツェムリンスキー、シェックらの「芸術歌曲」の合間に、クルト・ワイルやアイスラーの初期作品が割って入るユニークな構成。
マルトゥッチ:想い出の歌、レスピーギ:日没 ほか
ブリジット・バレー(ms)、ヘスス・ロペス=コボス/ローザンヌ室内管弦楽団
Claves CD 50-9807 (録音:1997)
*イタリア近代の管弦楽伴奏付き歌曲を二つ。耽美的なムードに溜息が出そう。
ラファエル・フォン・ケーベル:九つの歌
古嵜靖子(s)、小松美沙子(pf)
音楽之友社(番号なし) (録音:1998)
*Raphael von Koeber(1848-1923)とは即ち「ケーベル先生」。明治時代のお雇い外国人教授として哲学を講じた。彼はモスクワ音楽院でピアノをニコライ・ルビンシュテインに、作曲をチャイコフスキーに学んだ音楽家でもあった。その彼がゲーテ、ハイネ、アイヒェンドルフ、レールモントフらの詩に作曲した歌曲集の初録音。平明で味わいあるロマン派の音楽だ。
ヤナーチェク:小協奏曲、カプリッチョ、わらべ歌(Rikadla)
ヨセフ・パーレニチェク(pf)、チェコ・フィル木管アンサンブル・合唱団
Supraphon 11 0768-2 (録音:1972)
*ヤナーチェクが新聞で目にしたヨセフ・ラダ、ヨセフ・ハーラ,オンジェイ・セコラの挿絵に触発され、民謡の詞に曲をつけた"Rikadla" は小さな傑作。心が弾む。
マルティヌー:交響曲第6番、ピストン:交響曲第6番、メノッティ:ヴァイオリン協奏曲
シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団
BMG BVCC-38467 (録音:1956、56、54)
*つい最近に覆刻された珍しい演奏。マルティヌーとピストンはボストン響創立75周年の委嘱作でミュンシュが初演した。
バルトーク:弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽、管弦楽のための協奏曲
ヘルベルト・フォン・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団
EMI 7243 5 66596 2 9 (録音:1949、52-53)
*SP時代末期にロンドンで収録されたカラヤンの珍しい録音。「弦チェレ」はこれが初発売。練習風景付き。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番、第27番 ほか
クリフォード・カーゾン(pf)、イシュトヴァーン・ケルテーシュ/ロンドン交響楽団
Philips Great Pianists 456 757-2 (録音:1967)
*生前のカーゾンが発売を許可しなかった協奏曲録音。歿後17年目に初めて日の目を見た。どこが不満だったのか、繊細きわまる名演奏。
ディーリアス:ピアノ協奏曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番、ベートーヴェン:合唱幻想曲
クリフォード・カーゾン(pf)、プリッチャード/BBC響、ハイティンク/ロンドン・フィル
BBC Legends BBCL 4181-2 (録音:1981、79、70)
*これまた絶品というべきライヴ。無上の透明度を湛えたディーリアス。