恐縮ですが、今日はこの場を借りてワタクシゴトのお知らせ。
またまたロシア絵本について講演会をやることになった。
10月26日(木)、場所は世田谷区経堂の「日ソ会館」というところ。今どき、日ソ会館というネーミングがちょっと凄いでしょ。
建築家の川上玄さんが主宰されるサロン「ロシア・アヴァンギャルド」という研究会にお招きいただいたのだ。これまで、柳瀬信明さん、中本信幸さん、井上徹さんなど錚々たる研究者が講師を務めたと聞いて、さすがに少々ビビったのだが、せっかくのお誘いなので、勇を鼓してお引き受けした次第である。
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ロシア絵本のユートピア──信じる勇気と夢みる力
「ロシア革命の最大の成果とは?」
「それは絵本です!」 (『芸術新潮』2004年7月号)
もちろんこれは半分ジョークである。でも、半分は本気でそう信じたい気持なのだ。1920-30年代のロシア絵本を見ていると、あまりの素晴らしさに、こんな暴言を吐いてみたくなるのだ。たとえ制度としての社会主義が破綻し消え去っても、そこから生まれでた子供文化の高度な取り組みは、今もなおその価値を失わない。それらの絵本の志の高さを前にして、混迷の時代を生きる私たちはただ、こうべを垂れるほかない。新鮮で溌剌としたグラフィズム、やんちゃで生き生きした子供像の創出、未来を信じる勇気、理想の実現を夢みる力…。80年前のロシア絵本が突きつける真摯な問いかけに、21世紀の私たちはどこまで誠実に答えることができるだろうか。
講師=沼辺信一
日時=10月26日(木)午後6時~
会場=日ソ会館(世田谷区経堂1-11-2/小田急線・経堂駅下車 5分)
参加自由 資料代500円
問い合わせ=サロン「ロシア・アヴァンギャルド」
tel: 03-3429-8231(日本ユーラシア協会・梶山さん)
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このテーマについては6月11日に西荻窪でお話ししてから半年も経っておらず、その後はめぼしい発見もないので、はたして面白い話ができるかどうか、いささか心許ないのだが…。
実はつい最近、この日ソ会館の図書館で稀少な戦前のロシア絵本が何冊も見つかった。当日はそれらを手に取っていただけるので、それだけは楽しみにしていただきたい。