ハイドパークの余韻がずっと尾を引いていて、今もまだ現実に回帰できずにいる。
一昨日、フェスティバル二日目のこと、容赦なく照りつける陽光を避け、木蔭の喫煙コーナーでちょっと一服していたら、若い女性から声をかけられた。
この近所に住む方で、ヴォランティアとしてHMFに参加し、昨年のあの滝のような豪雨も、そのあとの至福のひとときも体験したという。はっぴいえんどのコピーバンドでヴォーカルも務めておられるそうで、好きな曲は「しんしんしん」、とおっしゃる。
そこで小生もいい気になって、細野さんが登場して「ろっかばいまいべいびい」を歌い出したときの感動から始まって、先日の下北沢での細野+矢野の共演や、昔々荻窪で聴いた大瀧詠一のライヴの話などを披露した。
ひとしきりしゃべり終わったら、彼女は「とても貴重なお話が聞けました。お礼にこれを差し上げます」と、DVD-Rを二枚くれた。
帰宅してこれを再生してみたら、1970年の中津川フォークジャンボリーで岡林信康がはっぴいえんどを従えて歌う映像やら、ティン・パン・アレーが小坂忠と共演している映像(75年の「ファースト&ラスト・コンサート」だと思う)やら、中華街で細野さんが「北京ダック」を歌う映像やらが続々と出てくる。これは凄い。
こんな貴重なものをタダで貰ってしまってよいものか。お礼を言いたくも、お名前がわからない。
そこで、この場を借りて心から感謝申し上げる。ありがとう、末永く家宝にします。
長く生きていると、こんないいこともあるんですね。