日記も書いたし、風呂にも入った、そろそろ寝ようか。もう深夜だ。
何気なくNHKの衛星放送をつけたら、スウェーデンのメゾソプラノ歌手アンネ・ソフィー・フォン・オッターのドキュメンタリーをやっている。タイトルは「Northern Star」。
彼女自身の語りでこれまでの全キャリアを振り返る、実に興味深い内容。デビュー前にロンドンで学んだ恩師のこと、カルロス・クライバーとの「薔薇の騎士」の思い出、エルヴィス・コステロと出遭った経緯、名伴奏者フォシュベリに作曲家コルンゴルトの存在を教えられたこと、家族とくつろぐ別荘暮らし etc, etc. ほんのちょっとだが、ロバート・ウィルソン演出のオペラ「アルチェステ」の舞台も映った。片時も目を離せない映像に、眠気もどこかへ吹っ飛ぶ。
それが終わると、次はフォン・オッター&フォシュベリがパリのオルセー美術館で催したリサイタルの実況映像。女性作曲家セシル・シャミナードの歌曲ばかり歌う夕べである(2004年収録)。
軽妙洒脱とはこのような音楽をいうのだろう。同内容のCDももっているが、ライヴでは曲がいっそう手の内に入り、表現にさらなる磨きがかかった感じ。
ああ、東京でもこんなリサイタルが聴けたらなあ。