「東京国際ブックフェア2006」の最終日。
展示したロシア絵本を回収しに出向いたついでに、改めて会場を一巡り。先日も立ち寄ったskyfish graphix 社のブースで、心惹かれる絵本をさらに何冊も見出す。
文字だけの絵本を創り続ける Anne Bertier の "construis-moi une lettre" と "rêve-moi une lettre" の二冊。こないだ買った二作には及ばないけれど、センスの良さがやはり光っている。和田誠の私家版絵本のような自由さがよい。以上は Editions MeMo 刊。
Passage Piétons というパリの出版社が出した写真+テクストの絵本シリーズ "imgier pour enfant moderne" シリーズ四冊。同じ版元から出た、わらべうた+写真からなる "alors, je chante" なる分厚い一冊。いずれも秀逸な出来。
ヴィクトール・ユゴーがガーンジー島に亡娘の墓を詣でる文章に写真(Marine Sangis撮影)を添えた "Les Travailleurs de la mer"。フランソワ・ヴィヨンの辞世の詩を夥しいカラー写真(同上)で挟み込んだ "L'Epitaphe"。この珠玉のごとき小さな二冊も Passage Piétons 刊。
Esperluète という版元の画文集二冊も捨てがたい。カフカの末妹オットラの悲劇的生涯を物語る "La petite soeur de Kafka"、そして詩人デスノスの最期を扱った "Les derniers mois de Robert Desnos" とくれば、これはもう手に取らずにはいられない…。
という次第で、このブースだけで十冊以上の絵本を買ってしまう。これらを輸入したskyfish graphix(中野にある出版社だそうな)の慧眼ぶりに脱帽するしかない。