今日(7月11日)はヘルベルト・ブロムシュテットの九十五歳の誕生日だという。現役最長老の指揮者としてこの日を迎えられたことを心から慶びたい。これほどのご高齢で意気軒昂に活躍できるマエストロは、古今東西で一人も存在しないのではなかろうか。
ブロムシュテットのレパートリーはもっぱら北欧と独墺の音楽なので、小生にはいささか縁遠い存在なのだが、2019年11月(世界がコロナ禍に突入する直前である)たまたま足を運んだNHK交響楽団の演奏会(第1925回定期「Aプロ」NHKホール)で、彼が指揮したブラームスの第三交響曲の信じがたく入念綿密で感動的な演奏に、「これほどまで凄い人なのか!」と舌を巻いたことがある。
https://www.facebook.com/shinichi.numabe.5/posts/pfbid0HVYqUZybu27wvV45xXg9yud7epmydyZp6ZzXPCbwteKVCnrXo9x8An2stbyY7b8Rl近年ブロムシュテットはアルテュール・オネゲルの第三交響曲《典礼風》を世界各地のオーケストラで披露している。実は2020年秋にNHK交響楽団の定期公演でも、以下の演目が予定されていた。
NHK交響楽団 10月「Bプロ」定期
2020年10月28・29日 サントリーホール
指揮: ヘルベルト・ブロムシュテット
■ オネゲル: 交響曲 第三番《典礼風》
■ ブラームス: 交響曲 第四番コロナの猖獗でブロムシュテットの来日が叶わず、この演奏会が中止になってしまったのは、オネゲル愛好家にとって残念至極というほかない(むろんブラームス《第四》も秀演だったろう)。
ところが不幸中の幸いといおうか、この中止になった演奏会の前後に、ブロムシュテットはバンベルク(2020年7月11日)とザルツブルク(2021年8月28, 29日)でも同一プログラムの演奏会を催しており、そのうちザルツブルク音楽祭での演奏(ウィーン・フィル)がDVD/Blu-ray で発売されるという。今日は早速これを視聴して、マエストロの九十五回目の誕生日を祝おうと思ったのだが、あいにく発売日は明日(7月12日)なのだとか!
そこで窮余の一策として、彼がバンベルク交響楽団を指揮した演奏会の実況映像をリンクしておく(2020年7月11日、奇しくも九十三歳の誕生日の当日)。オネゲルとブラームスの間に、マエストロのインタヴューも視聴できる。
https://www.facebook.com/brklassik/videos/591258584910375