小生の「映画の日々」のハイライトは、間違いなく1987年だったと思う。なにしろ二百二十五本も観ている。ふんだんに時間のあった学生時代ならともかく、編集の仕事の傍ら、これだけの本数を観たのだから、いっぱしのシネフィル(映画狂)を自称してよかろう。
以下の作品リストを眺めるとすぐ気づくのだが、1987年には東京での上映状況が1980年代初頭とは大きく様変わりしている。
池袋の文芸坐・文芸地下を筆頭に、名画座が気を吐くのは同じだが、それらに伍して「ミニシアター」と総称される小ぶりの封切館があちこちにでき、特殊なアート系の映画や、米英仏以外の珍しい作品、ハリウッドの知られざる旧作にも上映の機会が巡ってきた。「シネマスクエアとうきゅう」(1981年開館)、「吉祥寺バウスシアター」(1984年開館)、「シネマライズ渋谷」(1986年開館)、「銀座文化1・2」(1987年改装、のちに「シネスイッチ銀座」)、そして「シネ・ヴィヴァン・六本木」(1983年開館)がそれである。
とりわけセゾン資本の躍進は目覚ましく、上記「シネ・ヴィヴァン・六本木」のほか、渋谷西武のシード館十階に設けられた多目的スペース「シードホール」(1986年開場)でも特集上映がしばしば催された(5月の「オーソン・ウェルズ・ショー」)。
旧来の名画座も負けてはいない。力のこもった特集上映を催し、ゲストを招いてトークを実施するなど、工夫が凝らされた。2月の文芸地下での中川信夫特集では、上映可能な作品のほぼすべてを目にすることができたし、4月に大井ロマンが企てた宍戸錠特集では、矢作俊彦と宍戸錠との対談が実現した。登場するなり、エースの錠は得意のガン捌きを披露したのではなかったか。
そしてこの年における(というか、わがシネフィル史上で)最大の驚きは、十周年を迎えた「ぴあフィルムフェスティバル」の目玉企画として6月に実現した「ケン・ラッセル・レトロスペクティブ」だ。垂涎の的だったBBC時代のドキュメンタリー群から、未公開の《リストマニア》、永く観られなかった《10億ドルの頭脳》や《肉体の悪魔》までがスクリーンにかかった。
この催しのためにケン・ラッセル御大も最初で最後の来日を果たし、会場の「PARCO劇場」で監督を見かけた小生は、勇を鼓して覚束ない英語で語りかけ、直筆サインまで頂戴したのである(6月5日)。
■ 1月6日(火)三百人劇場(千石) *ロードショー
マイケル・カーティス:ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ
■ 1月8日 (木) シネマスクエアとうきゅう (歌舞伎町) *ロードショー
フェデリコ・フェリーニ:ジンジャーとフレッド
■ 1月14日(水)文芸坐(池袋)
ピーター・ウィアー:刑事ジョン・ブック 目撃者
■ 1月19日(月)文芸地下(池袋)
山田洋次:キネマの天地
■ 1月21日(水)シネマライズ渋谷 *ロードショー
ギャビン・ミラー:ドリームチャイルド
■ 1月23日(金)八重洲スター座
ピーター・ウィアー:ピクニック at ハンギングロック
■ 1月26日(月)大井ロマン
増村保造:からっ風野郎
増村保造:巨人と玩具
■ 1月26日(月)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
ルイス・ブニュエル:この庭での死
ジャック・ベッケル:肉体の冠
■ 2月4日(水)文芸地下(池袋)
和泉聖治:南へ走れ、海の道を!
■ 2月6日(金)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
D・W・グリフィス:ベッスリアの女王
■ 2月7日(土)文芸地下(池袋)
中川信夫:エノケンのとび助冒険旅行
中川信夫:エノケンの森の石松
中川信夫:右門捕物帖 片眼狼
■ 2月7日(土)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
チャールズ・ウォルターズ:ブロードウェイのバークリー夫妻
■ 2月8日(日)文芸地下(池袋)
中川信夫:恋風五十三次
中川信夫:粘土のお面より かあちゃん
■ 2月10日(火)文芸地下(池袋)
中川信夫:女吸血鬼
中川信夫:人形佐七捕物帖 妖艶六死美人
■ 2月11日(水)文芸地下(池袋)
中川信夫:雷電
中川信夫:続 雷電
中川信夫:東海道四谷怪談
■ 2月12日(木)文芸地下(池袋)
中川信夫:石中先生行状記 青春無銭旅行
■ 2月13日(金)文芸地下(池袋)
中川信夫:番場の忠太郎
中川信夫:恋すがた狐御殿
■ 2月14日(土)文芸地下(池袋)
中川信夫:女死刑囚の脱獄
中川信夫:深夜の告白
中川信夫:私刑(リンチ)
■ 2月15日(日)文芸地下(池袋)
中川信夫:怪談かさねが淵
中川信夫:亡霊怪猫屋敷
中川信夫:毒婦 高橋お伝
■ 2月16日(月)文芸地下(池袋)
中川信夫:「剣」より 鰯の頭
中川信夫:怪異談 生きてゐる小平次
■ 2月18日(水)銀座文化2 *ロードショー
マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー:黒水仙
■ 2月21日(土)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
ジャン・ルノワール:マッチ売りの少女
ジャン・ルノワール:チャールストン
D・W・グリフィス:スージーの眞心
■ 2月22日(日)シネマ・ロサ(池袋)
フランシス・コッポラ:コットンクラブ
■ 2月24日(火)吉祥寺バウスシアター *ロードショー
デレク・ジャーマン:エンジェリック・カンヴァセーション
■ 2月25日(水)大井ロマン
三隅研次:花の兄弟
池広一夫:ひとり狼
■ 2月26日(木)サンシャイン劇場(東池袋)
マキノ雅弘+松林宗惠:ハワイの夜
■ 2月28日(金)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
オーソン・ウェルズ:審判
■ 3月3日(火)文芸地下(池袋)
ガイラ:美女のはらわた
小沼 勝:処女いけにえ 箱の中の女
■ 3月4日(水)文芸坐(池袋)
フレディ・ムーラー:山の焚火
■ 3月6日(金)シネ・ヴィヴァン・六本木 *ロードショー
エリック・ロメール:満月の夜
■ 3月7日(土)三鷹オスカー
モーリス・ピアラ:愛の記念に
エリック・ロメール:海辺のポーリーヌ
■ 3月12日(木)池袋北口にっかつ
児玉高志:実録ソープ嬢スキャンダル 裂く!
斎藤水丸:母娘監禁 牝
■ 3月13日(金)新宿ビレッジ2 *ロードショー
ウディ・アレン:ハンナとその姉妹
■ 3月15日(日)文芸地下(池袋)
市川 崑:鹿鳴館
■ 3月16日(月)三鷹オスカー
ルイス・ブニュエル:ブルジョワジーの秘かな愉しみ
ルイス・ブニュエル:欲望のあいまいな対象
■ 3月17日(火)新橋文化
アルベルト・ラットゥアーダ:スキャンドール
■ 3月21日(土)高田馬場東映パレス
バート・スターン:真夏の夜のジャズ
ベルトラン・タヴェルニエ:ラウンド・ミッドナイト
■ 3月23日(月)文芸坐(池袋)
テリー・ギリアム:未来世紀ブラジル
■ 3月28日(土)並木座(銀座)
成瀬巳喜男:流れる
成瀬巳喜男:晩菊
■ 3月30日(月)文芸坐(池袋)
ロバート・ゼメキス:バック・トゥ・ザ・フューチャー
■ 3月31日(火)パモス青芸館(池袋)
ロバート・Z・レナード:巨星ジーグフェルド
■ 4月3日(金)文芸地下(池袋)
大森一樹:恋する女たち
■ 4月8日(水)大井ロマン
野口博志:拳銃無頼帖 明日なき男
野口博志:拳銃無頼帖 抜き撃ちの竜
■ 4月9日(木)文芸地下(池袋)
山下耕作:夜汽車
■ 4月13日(月)文芸坐(池袋)
トニー・リチャードソン:ホテル・ニューハンプシャー
■ 4月17日(金)文芸坐(池袋)
クリント・イーストウッド:ファイヤーフォックス
■ 4月19日(日)大井ロマン
野村 孝:拳銃は俺のパスポート
長谷部安春:みな殺しの拳銃
■ 4月20日(月)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
エルンスト・ルビッチュ:結婚哲学
■ 4月21日(火)文芸地下(池袋)
滝田洋一郎:コミック雑誌なんかいらない
■ 4月24日(金)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
マーク・サンドリッチ:艦隊を追って
■ 4月25日(土)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
ダグラス・サーク:翼に賭ける命
ダグラス・サーク:わが望みの全て
■ 4月28日(火)シネセゾン所沢
ジョージ・キューカー:スタア誕生
■ 4月28日(火)文芸坐(池袋)
クリント・イーストウッド:ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場
■ 5月1日(金)高田馬場東映パラス
フェデリコ・フェリーニ:81/2
■ 5月2日(土)テアトル新宿 *ロードショー
神代辰巳:ベッドタイムアイズ
■ 5月7日(木)日仏学院(飯田橋)
マックス・オフュルス:歴史は女で作られる
■ 5月8日(金)有楽シネマ
オーソン・ウェルズ:市民ケーン
■ 5月9日(土)シードホール(渋谷西武)
オーソン・ウェルズ:偉大なるアンバーソン家の人々
■ 5月15日(金)シアターアプル(新宿)
マキノ正博:男の花道
成瀬巳喜男:鶴八鶴次郎
■ 5月16日(土)シードホール(渋谷西武)
オーソン・ウェルズ:上海から来た女
■ 5月16日(土)シネ・ヴィヴァン・六本木 *ロードショー
エリック・ロメール:緑の光線
■ 5月17日(日)シードホール(渋谷西武)
オーソン・ウェルズ:フィルミング・オセロ
■ 5月20日(水)シネマスクエアとうきゅう *ロードショー
ナンニ・モレッティ:ジュリオの当惑
■ 5月21日(木)文芸地下(文芸地下)
市川 崑:映画女優
■ 5月22日(金)新宿武蔵野館 *ロードショー
ローランド・ジョフィ:ミッション
■ 5月23日(土)大井武蔵野館
ニコラス・ローグ:赤い影
■ 5月23日(土)大井ロマン
中平 康:猟人日記
中平 康:狂った果実
舛田利雄:赤い波止場
■ 6月3日(水)PARCO劇場(渋谷)*ケン・ラッセル・レトロスペクティブ
ケン・ラッセル:アメリアと天使
ケン・ラッセル:ゴシック
■ 6月4日(木)PARCO劇場(渋谷)*ケン・ラッセル・レトロスペクティブ
ケン・ラッセル:ソヴィエトの一作曲家の肖像(プロコフィエフ)
ケン・ラッセル:クラウズ・オヴ・グローリー
ケン・ラッセル:エルガー
ケン・ラッセル:バルトーク
ケン・ラッセル:トミー
■ 6月5日(金)PARCO劇場(渋谷)*ケン・ラッセル・レトロスペクティブ
ケン・ラッセル:10億ドルの頭脳
ケン・ラッセル:世界最大のダンサー(イザドラ・ダンカン)
ケン・ラッセル:夏の歌
■ 6月6日(土)PARCO劇場(渋谷)*ケン・ラッセル・レトロスペクティブ
ケン・ラッセル:リストマニア
ケン・ラッセル:フレンチ・ドレッシング
ケン・ラッセル:肉体の悪魔
■ 6月9日(火)PARCO劇場(渋谷)*ケン・ラッセル・レトロスペクティブ
ケン・ラッセル:恋する女たち
■ 6月11日(月)シネ・ヴィヴァン・六本木 *ロードショー
ベルナルド・ベルトルッチ:暗殺の森
■ 6月13日(水)シネマ・セレサ(池袋)
増村保造:でんきくらげ
■ 6月13日(水)文芸坐(池袋)
ビクトル・エリセ:ミツバチのささやき
ベルトラン・タヴェルニエ:田舎の日曜日
■ 6月15日(金)文芸地下(池袋)
黒沢 清:ドレミファ娘の血は騒ぐ
■ 6月20日(水)大井武蔵野館
コリーヌ・セロー:赤ちゃんに乾杯!
■ 6月20日(水)大井ロマン
澤井信一郎:めぞん一刻
澤井信一郎:恋人たちの時刻
■ 6月20日(水)大井武蔵野館
エミール・クストリッツァ:パパは、出張中!
■ 6月27日(水)大井ロマン
川島雄三:女は二度生まれる
川島雄三:洲崎パラダイス 赤信号
■ 6月27日(水)高田馬場パール座
スティーヴン・スピルバーグ:カラーパープル
ウディ・アレン:カイロの紫のバラ
1987年の下半期になっても、新興のミニシアターと馴染の名画座との間を行き来するような慌ただしい日々を送っている。
スペイン坂の「シネマライズ渋谷」(1986年6月開館)を頻繁に訪れたのも、この時期の特色だろう。ここではデイヴィッド・リンチの《ブルー・ベルベット》、デレク・ジャーマンの《カラヴァッジオ》のような尖った問題作が続々と封切られたほか、アステア&ロジャーズのRKOミュージカルの連続上映があったりもした。
数年前まではアテネ・フランセでしか観られなかった戦前のアステア&ロジャーズ作品が、今や最先端のお洒落スポットでスクリーンにかかる。時代の潮目ははっきり変わったのだ。
「シネマスクエアとうきゅう」での《マーラー》、「銀座文化1」での《狂えるメサイア》と、ケン・ラッセルの幻の旧作が相次いで公開されたのも、思いもよらない歓びだった。
一方で、「三百人劇場」のルイス・ブニュエル特集や、「俳優座シネマテン」(芝居が終わった夜十時から上映)のイタリア映画特集など、非=映画館スペースでの上映会にも見逃せないものがあった。
■ 7月1日(水)映像カルチャーホール(有楽町)
ヤーコフ・プロタザーノフ:田舎の裁断師
ボリス・バルネット:帽子箱を持った娘
■ 7月2日(木)銀座文化2 *ロードショー
エドマンド・グールディング:グランド・ホテル
■ 7月4日(土)三鷹オスカー
アルフレッド・ヒッチコック:汚名
■ 7月5日(日)大井ロマン
川島雄三:喜劇 とんかつ一代
■ 7月6日(月)大井ロマン
川島雄三:青べか物語
■ 7月8日(水)三百人劇場(千石)
伊藤大輔:御誂治郎吉格子
伊藤大輔:鞍馬天狗 横浜に現る
■ 7月8日(水)シネマライズ渋谷 *ロードショー
デイヴィッド・リンチ:ブルー・ベルベット
■ 7月9日(木)三百人劇場(千石)
伊藤大輔:素浪人罷通る
伊藤大輔:王将
■ 7月10日(金)文芸坐(池袋)
エクトル・バベンコ:蜘蛛女のキス
■ 7月11日(土)三百人劇場(千石)
川島雄三:風船
川島雄三:続 飢える魂
■ 7月14日(火)銀座テアトル西友 *ロードショー
ジャン=ジャック・ベネックス:溝の中の月
■ 7月16日(木)早稲田松竹(高田馬場)
アルフレッド・ヒッチコック:マーニー
■ 7月18日(土)文芸坐(池袋)
ジョージ・ミラー:マッドマックス
■ 7月18日(土)法政大学学生会館 *シアター・ゼロ
加藤 泰:風と女と旅鴉
■ 7月22日(水)シネマスクエアとうきゅう *ロードショー
ケン・ラッセル:マーラー
■ 7月28日(火)ユーロスペース(渋谷桜丘町)
小沼 勝:Mr.ジレンマン 色情狂い
■ 7月30日(木)新宿昭和館
マキノ雅弘:日本俠客伝 浪花篇
■ 8月1日(土)アメリカ文化センター(赤坂)
ノーマン・タウログ:ガール・クレイジー
■ 8月7日(金)吉祥寺ジャヴ50
カレル・ゼマン:盗まれた飛行船
■ 8月10日(月)シアターアプル(新宿)
アンドレイ・タルコフスキー:ストーカー
■ 8月19日(水)五反田TOEIシネマ
バリー・レヴィンソン:ナチュラル
ピーター・ウィアー:危険な年
■ 8月19日(水)池袋東宝
山下賢章:19 ナインティーン
大森一樹:トットチャンネル
■ 8月20日(木)銀座文化2 *ロードショー
ジョゼフ・ロージー:恋
■ 8月26日(水)文芸坐(池袋)
デイヴィッド・リンチ:砂の惑星
■ 8月27日(木)日仏会館(飯田橋)
和田 誠:Murder
和田 誠:The Road to Westside
和田 誠:怪盗ジゴマ 音楽篇
■ 8月29日(土)シネ・ヴィヴァン・六本木 *ロードショー
マルコ・ベロッキオ:肉体の悪魔
■ 9月5日(土)文芸地下(池袋)
大島 渚:マックス・モン・アムール
■ 9月7日(月)三百人劇場(千石)
ルイス・ブニュエル:乱暴者
ルイス・ブニュエル:エル
■ 9月8日(火)シネマライズ渋谷 *ロードショー
デレク・ジャーマン:カラヴァッジオ
■ 9月8日(水)PARCO SPACE PART 3(渋谷)
デレク・ジャーマン:スローン・スクエア
デレク・ジャーマン:TGサイキック・ラリー・イン・ヘヴン
デレク・ジャーマン:イン・ザ・シャドウ・オヴ・ザ・サン
デレク・ジャーマン:ブロークン・イングリッシュ
■ 9月10日(木)文芸地下(池袋)
蔵原惟繕:風速40米
■ 9月12日(土)早稲田松竹(高田馬場)
グレーム・クリフォード:女優フランシス
フィリップ・カウフマン:ライトスタッフ
■ 9月12日(土)三百人劇場(千石)
ルイス・ブニュエル:スサーナ
ルイス・ブニュエル:昇天峠
■ 9月14日(月)三百人劇場(千石)
ルイス・ブニュエル:愛なき女
ルイス・ブニュエル:嵐が丘
■ 9月17日(木)文芸地下(池袋)
舛田利雄:花と龍
■ 9月19日(土)銀座文化1 *ロードショー
ケン・ラッセル:狂えるメサイア
■ 9月25日(金)文芸地下(池袋)
川島 透:竜二
梶間俊一:ちょうちん
■ 9月28日(月)シネマ・ロサ(池袋)
ジョン・セイルズ:ブラザー・フロム・アナザー・プラネット
■ 9月30日(水)シネマ・セレサ(池袋)
伊丹十三:マルサの女
■ 10月7日(水)文芸地下(池袋)
須川栄三:螢川
井筒和幸:犬死にせしもの
■ 10月10日(土)文芸地下(池袋)
内藤 誠:スタア
■ 10月11日(日)文芸地下(池袋)
山川直人:100%の女の子
松原信吾:なんとなく、クリスタル
■ 10月12日(月)文芸地下(池袋)
大林宣彦:野ゆき山ゆき海辺ゆき
■ 10月13日(火)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
ロマン・チホーノフ:エヴゲニー・オネーギン
■ 10月15日(木)早稲田松竹(高田馬場)
テイラー・ハックフォード:ホワイトナイツ 白夜
■ 10月21日(水)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
アルフレッド・ヒッチコック:舞台恐怖症
■ 10月23日(金)シネセゾン渋谷 *ロードショー
ジョン・カサヴェテス:ラヴ・ストリームス
■ 10月30日(金)文芸地下(池袋)
大林宣彦:漂流教室
■ 10月31日(土)大井ロマン
森 一生:ある殺し屋の鍵
森 一生:ある殺し屋
■ 10月31日(土)新橋文化
バディ・ヴァン・ホーン:ダーティファイター 燃えよ鉄拳
ジェイムズ・ファーゴ:ダーティファイター
■ 10月31日(土)中野武蔵野ホール
増村保造:女の一生
■ 11月2日(月)中野武蔵野ホール
増村保造:氾濫
■ 11月5日(木)中野武蔵野ホール
増村保造:濡れた二人
■ 11月7日(土)大井ロマン
森 一生:続 座頭市物語
森 一生:不知火検校
森 一生:破れ傘長庵
■ 11月8日(日)日比谷シャンテ1 *ロードショー
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ:グッドモーニング・バビロン
■ 11月8日(日)丸の内東映パレス *ロードショー
ウディ・アレン:ラジオ・デイズ
■ 11月14日(土)大井ロマン
森 一生:日露戦争勝利秘話 敵中横断三百里
森 一生:薄桜記
■ 11月20日(金)シネマライズ渋谷
マーク・サンドリッチ:トップ・ハット
■ 11月25日(水)俳優座シネマテン(六本木)
パスクァリーノ・カンパニーレ:トリエステから来た少女
■ 11月28日(日)大井ロマン
森 一生:悪名市場
岡本喜八:どぶ鼠作戦
土居通芳:地平線がぎらぎらっ
■ 11月28日(日)シネマライズ渋谷
マーク・サンドリッチ:コンチネンタル
■ 11月30日(火)俳優座シネマテン(六本木)
マルコ・フェレーリ:ピエラ 愛の遍歴
■ 12月7日 (月) アートシアター新宿 *黙壺子フィルム・アーカイブ
(監督名不詳):アニメーション発達史
レズリー・ピアス:W・C・フィールズの歯医者
■ 12月9日(水)俳優座シネマテン(六本木)
アルベルト・ラットゥアーダ:心の棘
■ 12月12日(土)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
ハワード・ホークス:紳士は金髪がお好き
■ 12月15日(火)文芸地下(池袋)
加藤 泰:沓掛時次郎 遊俠一匹
加藤 泰:風と女と旅鴉
■ 12月16日(水)新宿東宝ビレッジ1 *ロードショー
根岸吉太郎:永遠の1/2
馬場康夫:私をスキーに連れてって
■ 12月18日(金)シネマライズ渋谷
ジョージ・スティーヴンス:スウィング・タイム 有頂天時代
■ 12月19日(土)アテネ・フランセ文化センター(駿河台)
マキノ正博:鴛鴦歌合戦
マキノ正博:野戦軍楽隊
マキノ正博:世紀は笑ふ(後半のみ)
■ 12月27日(日)浅草新劇場
小澤啓一:女の警察 乱れ蝶
マキノ雅弘:女組長
■ 12月29日(火)吉祥寺ジャヴ50
小川紳介:ニッポン国古屋敷村
以上、合計すると二百二十五本。当時の東京で新旧とり混ぜて、面白い映画がかくも数多く上映されたのに感心する。
このような百花繚乱の背景に、空前のバブル景気があったことは疑いない。だが「酒と薔薇の日々」も永くは続かない。
やがて、配給システムの変化や映像ソフトの普及に押されて、老舗の名画座の閉館が相次ぐようになる。
*銀座ロキシー 1986年「松竹シネサロン」と改名
*大塚名画座/鈴本キネマ 1987年6月閉館
*飯田橋佳作座 1988年4月閉館
*高田馬場パール座 1989年6月閉館
*大井ロマン 1989年7月閉館
*八重洲スター座 1989年8月閉館
*五反田TOEIシネマ 1990年9月閉館
*三鷹オスカー 1990年12月閉館
*浅草東京クラブ 1991年11月閉館
*並木座(銀座) 1998年9月閉館
*大井武蔵野館 1999年1月閉館
*新宿昭和館/昭和館地下 2002年4月閉館
*東急名画座(渋谷) 2003年6月閉館
ついでに申し添えると、一世を風靡したミニシアターも、ほとんどが閉館の憂き目を見ている。往事茫々とはまさにこのことだ。