ガスパール=フェリックス・トゥールナション(Gaspard-Felix Tournachon)こと、通称ナダール(Nadar)は、写真創生期に肖像写真のジャンルを確立したフランスの偉大な写真家だ。そのナダールが今年の4月6日、生誕二百年を迎えたのを記念して、仏本国では素晴らしい切手シートが発売になった。
採り上げられたのは、ナダールが1865年頃、自らを被写体として、さまざまな角度から捉えた《自写像》全十二枚である。同じポーズのまま、おそらく回転椅子に坐って、自ら回りながら撮影したので、連続するとフリップ・ブック(パラパラ漫画)になる趣向だ。
それらがズラリ並んで切手シートを構成すると、これはなかなか壮観な眺めである。ただし、切手として使用できるのは二列目の四枚のみで、上下の列の八枚はヴィニェット、すなわち余白紙片なので、文字表記が省かれている。
シート下端には小さく ”Découpez et superposez douze autoportraits pour former un folioscope, feuillez-le, il créera l'illusion que le personnage de Nadar est en mouvement" と註記があり、十二枚を単片に切り離して順番に並べると、パラパラ漫画(folioscope)としてナダールの姿が動いて見える、と記される。
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