3月7日の講演が取りやめと決まって、ちょっと出鼻を挫かれた感は否めないが、中止ではなく延期なのだから、むしろこれを奇貨として、更なる調査を粛々と進め研鑽に励むべし、との天の声だと考えることにした。
仄聞するところでは、かの沼野充義教授ですらが退官記念シンポジウムと最終講義の中止を余儀なくされた由。それに較べれば小生のレクチャー延期など、取るに足らない些事に思えてくる。
目下のところ小生が対応に苦慮しているのは、明日が締切の雑誌連載の美術記事だ。なにしろ主だった美術館が軒並み休館し、目ぼしい展覧会は中断か延期に追い込まれた。取り上げようと思っていた作品紹介ができなくなって万事休す。あらかじめ会場にも足を運んで準備したのが無駄になった。いやはや。