ロージーとは何者で、私にとっていかなる存在だったのでしょう?[…]ロージーはその長いうっとうしい時期を持てあましていた手と頭に、仕事を与えてくれたばかりでなく、のちに私の本という本にはいりこむことになる数かずのアイディアで、私のスケッチブックをいっぱいにしてくれました。ロージーは猛烈な子どもで、この世のものだろうとこの世の外のものだろうと、なりたいものなら何にでもなれるその想像力には、感銘を受けずにはいられませんでした。[…] 彼女のゲームは主として映画をもとにしたものでした。彼女は『ノートルダムのせむし男』のチャールズ・ロートンとモーリン・オハラの役を両方いっぺんにやってのけました。それは彼女の最高の出し物のひとつでした。
センダックは通りを隔てたアパートに住むロージーとその仲間たちの遊びにすっかり魅了され、来る日も来る日もその模様をスケッチブックに記録した。
これらのスケッチは未熟で不正確でたどたどしいものですが、当時の私の生活のほかの場所では決して見出せなかった、幸せな活力に満ちています。それらが積み重なって、一人の子どもの大ざっぱな輪郭ができたのが、その後の私のあらゆる登場人物たちのもとになったのでした。私はロージーを愛していました。
ロージーとその遊び仲間、舞台をなす通りと住まいは、長じて絵本作家となったセンダックの作品に繰り返し登場する。
1960年の絵物語『The Sign on Rosie's Door(ロージーちゃんのひみつ)』はその最も際だった例だろうが、ほかにも主人公は少年にしてあるものの、『ケニーのまど』(1956)も『とおいところへいきたいな』(1957)も、ロージーの世界を色濃く反映した絵本である。
彼の言によれば、あの『かいじゅうたちのいるところ』のマックス坊やさえも、ロージーの面影を宿しているのだという。「性を変えたくらいでは、私の主人公のロージーらしさは隠れてしまいはしませんでした」。
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若き日のセンダック最愛のヒロインであるロージーは1975年2月19日、CBS・TVの三十分のアニメ特番《リアリー・ロージー Really Rosie》として結実する。そこで主人公ロージーに扮したのは、ほかでもないキャロル・キングその人だった。ブルックリンに実在した勝気でおしゃまなロージーを演じ唄うのに、同じ街に生まれ育ったキャロル・キング以上の適役が考えられようか?
センダックはこう語っている。「キャロルと僕はブルックリンではまあ近所同士みたいなものだ。彼女こそ誰よりもリアリー・ロージーだったし、今だにずっとそうなのさ」。
https://www.youtube.com/watch?v=dMbrQ5wNDPo
嬉しいことに、ただ一回きりのアニメ特番にキャロル・キングが提供したオリジナル曲の数々は、TV放映に少し先駆けてサウンドトラック盤として発売された。それが四十五年前の今日(正確にいうと2月4日、もう昨日になる)なのだと、キャロル・キング自身のツイートで今しがた知らされたところである。
"Carole King *Really Rosie*"
01. Really Rosie →これ
02. One Was Johnny →これ
03. Alligators All Around →これ
04. Pierre →これ
05. Screaming and Yelling →これ
06. The Ballad of Chicken Soup →これ
07. Chicken Soup with Rice →これ
08. Ave. P
09. My Simple Humble Neighborhood
10. The Awful Truth →これ
11. Such Sufferin' →これ
12. Really Rosie (Reprise)
原作・作詞・美術・動画監修/モーリス・センダック
作曲・歌/キャロル・キング
1974年録音
Ode/Epic/Legacy EK 65742 (1975/1999)
今夜はこのアルバムを聴かずに寝られようか?