わがレコード蒐集歴が五十年になった。人生のかなりの部分を音盤とともに過ごしたことになるが、これが切手集めとなるとさらに年季が入っていて、四歳頃に始めたので、かれこれ六十三年にもなる。細々ながら今も続いており、こうなるともう病膏肓、死ぬまで止まらない。古株のフィラテリスト(切手蒐集家を意味する世界共通語)を自称しても構うまい。
そんなわけで、つい先日わが家に届いたばかりの美術切手をチラと見せびらかそうではないか。
ベルギー生まれの世紀末画家フェルナン・クノップフ Fernand Khnopff(1858–1921)にちなんだ記念切手である(→これ)。2004年に本国から出た小型シート。生年とも歿年とも無関係な年に発行された。なぜこの年なのか、肝心な理由が謎のままなのは、フィラテリストとしてちょっと恥ずかしいのだが。
すでに画家として国際的な声価が確定しており、CDジャケットでも本の装丁でも作品が多用されているというのに、意外にもこれが世界初のクノップフ切手であるらしい。
どうです、いいでしょう、綺麗でしょう、欲しくなるでしょう。
ベルギー人はこの小型シートを平気でばらし、切り離して単片で使用しているのだろうか。勿体なくて小生にはとてもできそうにない。